
山本文緒 著
「絶対泣かない」
(角川文庫)
あなたの夢はなんですか? いまの仕事に満足してますか? 仕事に誇り、もってますか? お金のためでもあるけれど、お金以外のためにも、ひとは働く。職場におこるさまざまな人間関係とハプニング、プライドにもまれて、ときには泣いたこともある―。専業主婦から看護師、秘書、エステティシャンまで。15の職業のなかで、自立と夢を追い求める女たち。人知れぬ心のたたかいを描いた、元気の出る小説集。−裏表紙より−
200ページに満たないほどの薄い本ですが、紹介文にあるように15の話が収録されています。一話ずつはすごく短い話(10ページちょっとくらいの話)で、あっという間に完結してしまう感じです。
あまりにも短すぎて、印象に残らないな・・と思う話もあったのですが、いくつか、もっと書いてほしいと思う話もありました。
職業は違っても、悩む部分はみんな似ていて、仕事が充実していたら恋が終わったり、気に入らない上司や同僚に振り回されたり、仕事にやりがいを感じなかったり、客との関係がうまくいかなかったり・・・。きっと誰もが一度は感じたことのある悩みがここには書かれています。
全ての話で共感できなくても、きっとどこかに「あ〜わかる、その気持ち!」と思える部分があるでしょう。
元気が出るか?というと、特にそんなこともなかった気はするのですが、作者のあとがきを読んで少し考えを変えてみようかな?とは思えるようになりました。
私達は忙しさにかまけて、何故働いているのかを忘れてしまいがちだ。
どうして働いているのか。
何が欲しいのか。
それで、あなたは、いったいどうしたいのか。
どうしてもらいたい、のではなく、どうしたいのか。
私は時折、自分に問うようにしている。 ―あとがきより―
もし、あなたがあなたの仕事が嫌いだとしたら、それがどんなつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身です。―文庫版あとがきより―
確かに・・。やりがいが持てない仕事なら、何とかしてやりがいを見つけるなり、思い切って転職するなりすれば良いわけで、それを行動に起こしもしないくせに文句ばかり言うのは間違っているんですよね。
今すぐに何かするのは無理でも、何とか行動を起こしたい!と少しは思えるようになりました。
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