2012年06月07日

吉田篤弘「それからはスープのことばかり考えて暮らした」

初めましての作家さんです。

それからはスープの〜

 吉田篤弘 著
 「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
 (中公文庫)


路面電車が走る町に越して来た青年が出会う人々。商店街のはずれのサンドイッチ店「トロワ」の店主と息子。アパートの屋根裏に住むマダム。隣町の映画館「月舟シネマ」のポップコーン売り。銀幕の女優に恋をした青年は時をこえてひとりの女性とめぐり会う―。いくつもの人生がとけあった「名前のないスープ」をめぐる、ささやかであたたかい物語。−裏表紙より−


1〜2時間あれば読めてしまうような、字も大きくてページ数も少ない本で、あっさりしているのに心がじんわりと温かくなる作品でした。


主人公の“僕”こと大里(おおり)は、路面電車が走る町が気に入って引っ越してきました。教会の十字架が窓から見えるアパートが気に入り、そこに住むことになり、そのアパートの大家さんとも昔からの知り合いのような付き合いをすることになりました。彼女から「オーリィくん」と呼ばれたことで、他の人からも同じように呼ばれて親しくされるようになります。


オーリィくんの趣味は古い映画を見ること。しかもある特定の映画。あるとき古い映画館で緑色の帽子をかぶった老婦人と出会います。何度も同じ映画を見ている彼とよく会う老婦人。自分と同じような目的を持っているのでは?と思い、彼女に興味をもつようになります。

もうひとつ気になっていたのは、この町の人たちがよく「3」という文字の入った袋を持って歩いていること。その謎を大家さん(マダム)に聞いた所、サンドイッチ屋「トロワ」の袋だということがわかり、買いに行ったオーリィくんは新たな出会いをします。サンドイッチのあまりの美味しさに店主に声を掛けたのです。店主・安藤さんと毎日のように話し、息子のリツくんとも仲良くなり、自然な流れで「トロワ」で働くことになりました。

冬になったら売り上げが落ちるのでは?と心配した店主がオーリィくんにスープを作ってほしいと頼みます。そこからのオーリィくんはスープのことばかり考えて暮らしたのでした。


出てくる人たちは本当に良い人ばかりで、それぞれの人生を自分のやりたいように生きています。しかものんびりと・・。もちろん本人たちは一生懸命生きているのでしょうが、読んでいるとのんびりしているように見えます。それって理想の生き方だな・・と思ったんですよね。

あくせく働くばかりが人生じゃない。・・でも現実ではそうしないと生きられない。

ある意味、達観したような彼らの生き方には憧れを抱いてしまいました。

スープの匂いがふわっと漂ってきそうな、やわらかくてあたたかい物語でした。


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それにしても、癒し系な話・・・。これを選んで読むなんて疲れてるのかもしれないな・・。

タグ:吉田篤弘
posted by DONA at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:その他
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