
原宏一 著
「シャイン!」
(集英社文庫)
ワンマン会社の鴨之木製麺工業で、派遣社員として働く加奈子。ある日、田布勢部長からセクハラまがいの仕事を言いつけられたことを愚痴ったところ、社内の派閥争いに思わぬ影響が生じて―。麺の開発部に飛ばされたデザイナー、工場でフォークリフトを操る元走り屋、内部告発を試みる経理部OLなど、不祥事に揺れる中堅企業で奮闘する社員たちを描いた長篇小説。(『トイレのポツポツ』改題)−裏表紙より−
話の舞台は鴨之木製麺工業。この会社で働く色んな立場の社員たちの物語です。長篇というよりは、連作短編集みたいになっていて、ずっと話は続いていますが、それぞれの話で主役となる人が変わり、視点が変わります。
1話目で主役となるのは派遣社員の白石加奈子。派遣社員と親しくしてはいけないという変な決まりのあるこの会社で淡々と仕事をこなしていた彼女に、田布勢部長が指示したのはセクハラと思われても仕方のない内容のメールを社員に送るように!というものでした。
そのメールの内容が改題前の「トイレのポツポツ」なんですが・・。今時これくらいのことでセクハラとか騒ぐ?と思うような笑える内容で、こんなことをメールで言わないといけないような会社って・・と呆れてしまいました。ただ、この「トイレのポツポツ」が意外と大きな意味を持つわけですが。
他の話に出てくる社員たちもみんな「会社の為にがんばる」という気持ちが強くて、何とか認められたい、会社を良くしたいと思っています。ただ、上層部の思いは全く正反対でした。
自分の保身と私腹を肥やすことしか頭にないような社長始め役員たち。こういうワンマン会社ではありがちなことなのかもしれませんが、それにしてもひどい話です。彼らの言動に呆れはてました。
反旗を翻した社員たちを応援しながら読み進め、最後にはとても晴れ晴れした気持ちになる、痛快なストーリーで、とても面白かったです。
特に最後の「チェンイー」が良かったです。中国語で「誠意」という意味だそうです。「誠意を見せることで人脈も広がって強い絆が出来る。会社も発展していける」と、心を入れ替えていく植村の姿はとても輝いて見えました。
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タグ:原宏一
と、思いましたが段々面白くなりましたね〜。
DONAさんが書かれているように特にラストの章は
よかったですね(^^♪
ちょっとジーンとしました。
この本も、面白かったです。ちょっとジーンとするラストも良かったですよね。
これからも参考にさせていただきます。