
セバスチアン・ジャプリゾ 著
平岡敦 訳
「シンデレラの罠」
(創元推理文庫)
わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。火事の真相を知るのはわたしだけだというのに記憶を失ってしまった。わたしは本当に皆のいうように大金持ちの伯母から遺産を相続するというミなのか?死んだ娘がミで、わたしはドなのではないのか?わたしは探偵で犯人で被害者で証人なのだ。ミステリ史上燦然と輝く傑作。−裏表紙より−
「わたしは、探偵で証人で被害者で、犯人です」というキャッチコピーで有名なミステリーだそうです。知らずに読み始めたのですが・・。
昔、ミとドとラという3人の娘がいて、仲良く過ごしていた・・・というような御伽噺のような始まり方をします。そばにはミドラ伯母さんという女性がいました。 そして場面は変わり、火事で大火傷を負った1人の娘が病院で目覚めます。
彼女は、皮膚移植を受けるくらいの大火傷を負い、更に記憶も無くしていました。目覚めた彼女に周りは「あなたはミだ」と言います。それを聞いてもあまり実感がわかない彼女に、ジャンヌという女性が現れ世話をやきます。
ジャンヌから一緒に火事に遭ったドという友人が死亡したことを聞かされ、ショックを受けたミは、自分のことや火事のことを思い出そうとします。父親に会おうとするミをジャンヌは様々な理由をつけて会わせようとしませんし、どうも周りから隔離しようとしている様子。
そんなジャンヌの様子を見て、ミは疑問に思います。「もしかしてわたしはドではないか?亡くなったのがミではないか?」と。ミにはミドラ伯母さんが遺した遺産があったからです。わたしはその遺産を狙って火事を起こし、ミと入れ替わろうとしたのではないか?
記憶を失った娘に、ジャンヌだけではなくボーイフレンドや弁護士、家政婦などが声をかけてきます。その会話の中に色んなヒントが隠されていて、その度に娘だけではなく読者である私も「ミかな?」「ドかな?」と予想を二転三転させることになりました。
記憶が戻ったかのような記述があって、騙されそうになる部分もありますし、読み進める毎に混乱状態になってしまいました。結局最後まで読んでもイマイチ理解できず・・。
話の後に付いている訳者のあとがきを読んで、やっと少し疑問が解けた気がしました。それでも全部理解できたわけではありませんが。
最後まで読者にお任せ!って感じのとても不思議なミステリーでした。
とりあえず、私がどうしても気になっているのは“ラ”の存在。すぐに亡くなった彼女は必要だったんでしょうか?謎です・・。
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タグ:セバスチアン・ジャプリゾ
内容は全く覚えていませんが、「わたしは、探偵で、証人で、被害者で、犯人です」というコピーと、タイトルにひかれて買った記憶があります。
懐かしさのあまり購入し、すでに積読になっていますが、こういうのを読んでいると、自分のレギュラー作家?の本が読めなくて困るんですよね
何だかお久しぶりですね〜。最近、北旅さんのブログにコメントしようとすると「ログイン」しないといけなくなっていて、書けないんです・・。やり方がまずいのかもしれませんけど。
それはともかく。
これって、やっぱり有名な作品だったんですね?もう積んであるんですか。
読んだら、ぜひ私に“ラ”の存在意義を教えて下さい(笑)
調べてみたら、いつの間にか設定が変わっていました。
一括設定をいじっていて間違えたようです。どうもすみませんでした。
というか、教えてもらわなかったら、ずっと気がつかなかった…。
ありがとうございました。
ではまたコメントしに行きますね。