2012年03月02日

大門剛明「ボーダー」

初めましての作家さんです。

ボーダー

 大門剛明 著
 「ボーダー 負け弁・深町代言」
 (中公文庫)


テレビでも人気の若手弁護士・深町代言は、ある事件をきっかけに東京を去る。流れ着いた伊勢で所属したのは、志は高いが裁判で勝てない“負け弁”が集まる貧乏法律事務所。刑事事件への情熱を失った深町だが、ニート強殺事件の被告人の無罪を信じる同僚・実花の窮地に再び立ち上がる。−裏表紙より−


背が高くて、高そうなブランドスーツがよく似合う・・というなかなかカッコイイ感じの深町弁護士。彼は心に傷を負って逃げるように東京から伊勢にやってきました。

今働いているのは、伊勢にある「外宮前法律事務所」です。所長の松月は人がよすぎるせいか、裁判で負けてばかりいます。更に金もうけが下手過ぎるため、貧乏な事務所になっています。そこへ現れた救世主が深町弁護士。彼はとても優秀で、裁判で負けることは無く、しかも弁護士をビジネスとして捉え、事務所の資金を増やしていっています。

この事務所には松月の他に、彼の姪でもある弁護士の中里実花、そしてスーパー事務員の和田さんがいます。頼りない所長を助けて頑張る二人の姿は好感もてました。特に和田さんはカッコよすぎです。


まだまだ新人の実花が担当していたニートによる強殺事件。彼女は被疑者と接見するうちに、彼の無罪を確信するようになります。被疑者に肩入れするあまり、冷静になれていないのでは?と心配した深町は何度も彼女に言葉をかけます。

そして、始まった裁判員裁判。順調に見えた実花の弁護でしたが・・・。

この事件を調べ、実花を助けていく深町は少しずつ変化をみせます。


彼の過去の傷については、時々垣間見える程度で、最後まできちんと明かされることはありませんでしたので、きっと続きで明らかになっていくんでしょう。

民事の裁判について細かい描写もあって、あまり知ることのない裁判の様子が新鮮でしたし、面白かったです。民事って地味なんですね〜。

物語の舞台となっている伊勢市の描写も素敵でした。

続きが楽しみなシリーズです。


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posted by DONA at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:大門剛明
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