
滝田務雄 著
「田舎の刑事の動物記」
(創元推理文庫)
野生のサルの被害が問題になり、変人学者の主張でサル対策を警察が主動しなければならなくなった。しかも不可解な状況で発生したボスザルの死の謎をも解き明かす必要に迫られ、黒川刑事はしぶしぶ捜査に乗り出す―田舎でだって雑事件は起こる。鬼刑事黒川鈴木、今日も奮闘中。第三回ミステリーズ!新人賞受賞作家による脱力系ミステリ第二弾、肩の力を抜いてお楽しみください。−裏表紙より−
まさしく「肩の力を抜いて」楽しむミステリーです。でも、笑えるだけじゃなくて、結構本格的な推理もあるんですよね。そのギャップにはまっています。
このシリーズはドラマ化され「デカ黒川鈴木」という題名で今放送されています。ドラマを見ているので、本を読みながらドラマのキャストが頭に浮かんでしまいました。まあ、それだけはまり役ってことなんでしょうけど・・。ただ、黒川鈴木は人物は浮かばなかったんです。きっとドラマでは関西弁だからでしょう。イメージも違いましたしね。
今回も大きな事件から、小さな事件まで6つの事件を解決する黒川たち。普段、部下の白石や奥さんに振り回されいじめられている情けない黒川ですが、事件の捜査を始めると鋭い観察眼を発揮します。普通なら気づかないような小さな出来事をつなぎ合わせ、事件を解決していきます。普段の姿が嘘のようにカッコイイ黒川に変身です。
前作は、田舎の中で起きた事件だけでしたが、今回は何と海外にまで行って偶然遭遇した事件を解決して見せます。海外では更に情けなくなる黒川の姿に笑ってしまいました。
私の大好きな奥さんもまだまだ健在。前作より行動の突飛さは少しおとなしくなった気はしますが、それでも十分変な行動をしますし、黒川に対する態度もなかなかです。白石もパワーアップし、唯一まともに見えていた赤木もだんだん行動が変になってきました。これから良いキャラになりそうです。
疲れた頭で読むとリラックスできるような、笑えるけど意外と本格的なミステリーです。今後も楽しみになりました。
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