2012年01月28日

今野敏「任侠学園」

任侠学園

 今野敏 著
 「任侠学園」
 (中公文庫)


日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、ちっぽけながら独立独歩、任侠と人情を重んじる正統派のヤクザだ。そんな組を率いる阿岐本雄造は、度胸も人望も申し分のない頼れる組長だが、文化的事業に目のないところが困りもの。今回引き受けてきたのは、潰れかかった私立高校の運営だった。百戦錬磨のヤクザも嘆くほど荒廃した学園を、日村たちは建て直すことができるのか。大人気の「任侠」シリーズ第二弾!−裏表紙より−


第二弾も面白かったですぴかぴか(新しい) 一気に話に引き込まれて一気読み。一作目と同じようにニヤニヤしたり、怒ったり・・日村と同じ感情で読み進めました。


今回の建て直し先は、ある私立高校。数年前から共学になったという学校ですが、どうしても生徒が集まらない・・と泣きつかれ、日村の心配をよそにあっさりと引き受けた組長。

いざ乗り込んでみて、そのあまりにも荒れ果てた校舎の様子にびっくり。窓ガラスは割れ、壁には落書き、そしてグラウンドは乾いてひび割れだらけ・・。呆然とする日村のそばで組長は「やりがいがある」なんて言う始末ふらふら 日村の苦労がわかります。

教師や生徒と話すと無気力さ加減にまた驚かされます。学校内にやる気がない。その様子を見て日村はまた胃が痛くなるのです。


今回のテーマは教育や躾のあり方。親はもちろん、教師にもその方法を問います。ヤクザの世界の方がよほどきちんと挨拶をしたり目上の者に対する態度もしっかりしています。組長に「自分の舎弟を育てると思えばできるはず」と諭され、全力で生徒や教師にぶつかっていきます。

最後には感動の結末が。


日村は自分が高校を中退したことを思い出し、毎朝憂鬱な気持ちで目覚めては「学校に行きたくない」とぼやくのが妙に笑えました。時々、本気でにらみをきかせているのはきっとストレスのせいでしょう・・あせあせ(飛び散る汗) ヤクザの世界では「親に子は逆らえない」これが無ければもう少し意見が言えるのに。普通の会社でいうところの中間管理職ですね。

主人公がヤクザなので、現実離れしていそうですが、実際には一般社会にも通じる物があって、参考になる部分はたくさんあります。ヤクザの社会と思わずに読むと「なるほど・・」と感心するところも多いです。

そういう意味でも楽しめる話です。

続きも楽しみですが・・・文庫化はまだまだ先かな??


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posted by DONA at 11:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:今野敏
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