
坂木司 著
「先生と僕」
(双葉文庫)
都会の猫は推理好き。田舎のネズミは・・・?−ひょんなことから大学の推理小説研究会に入ったこわがりな僕は、これまたひょんなことからミステリ大好きの先生と知り合う。そんな2人が、身のまわりにあるいろいろな「?」を解決すると同時に、古今東西のミステリ作品を紹介していく連作短編集。事件の真相に迫る名探偵は、あなたをミステリの世界に導く名案内人!巻末には仕掛けに満ちた素敵な「特別便」も収録。−裏表紙より−
あらすじを読んだとき、主人公が大学生だということは“ミステリ大好きの先生”は大学教授かな?とぼんやり思っていたのですが・・・。読み始めて驚かされました。
“先生”はちょっと小生意気ではありますが、頭の回転が速くて、観察力があって、なかなか魅力的です。“僕”こと二葉さんとの相性も良い感じで、ずっと微笑ましく読むことができました。
日常のちょっとした謎を解決していく話が5話書かれていて、殺人や強盗など血なまぐさい事件は一切ありません。でも、ある意味、ぞっとする・・。人間って怖いな・・と改めて思わされる話もありました。普段、何も思わずに見聞きしている出来ごとでさえも、ちょっと見方を変えると「なんか、違うんじゃない!?」と思う・・。そんなことを考えさせられる話でした。
そして、この話には1話ずつ先生から生徒である二葉さんに宿題として、殺人事件の無い推理小説が手渡されます。ミステリ好きならきっと読んだことがあるであろう有名な作家さんの作品が多く「また読んでみたい」と思ったり、読んでいない人は「読みたい」と思うでしょう。
ミステリに興味がある方なら、ガイドブックとしても役立つと思います。私はまだまだミステリ好きとは言えないな〜と再確認しました。出てくる宿題、全部未読でしたから・・(1冊は途中で挫折しましたし)

最後に「特別便」が入っていて「ワーキング・ホリデー」や「ホテル・ジューシー」の登場人物たちが少し出て来ます。先に「ホテル・ジューシー」を読めば良かった!と激しく後悔しつつ、ファンには嬉しい作品です。
ページ数も少ないですし、1時間くらいで読めると思います。
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