初めましての作家さんです。

芦辺拓 著
「裁判員法廷」
(文春文庫)
あなたのもとに届いた、裁判員候補に選ばれたという通知。裁判など初めての経験となるあなたは、同じように突然呼び出された仲間・他の裁判員と共にきちんと評決を下すことができるのか?
プロローグでいきなり作者から「あなた」と話しかけられます。そして裁判員に選ばれたことを知った「あなた」は、「審理」「評議」「自白」という3つの裁判を経験することになります。
自分自身が主人公になるという不思議な視点で話が進み、しばらくはとまどってしまいました。でも、いつ選ばれるかわからない、私でも選ばれる可能性のある「裁判員」がテーマということで、とても興味深く読めました。
3つの裁判に関わる検事、弁護士、裁判長や裁判官たちはずっと同じ人たちです。弁護士は森江春策という男性で、彼はのらりくらりとしていてつかみ所のない感じですが、意外と敏腕??と思わせる部分もあり、隠された真実をさりげなく掘り起こすことがあります。
検事は菊園綾子という女性。彼女はキレイな見た目でみんなの目線を釘付けにするようですが、腕もなかなかで、鋭い質問で被告人を追い詰めます。
裁判長は藤巻脩吾。彼は裁判員制度になってから、素人集団をうまくサポートして、彼らが評決を出すのを見守ります。裁判の場でも個性的な弁護士と検事をうまくさばいてくれます。
裁判の進み方もきちんと書かれていて、常に自分ならどうするかな?どう考えるかな?と想像しながら読み進めました。
特に「評議」では裁判員たちの話し合いが描かれているので、自分がそこにいたらどんな発言をするだろう?と考えさせられました。この人たちみたいにきちんと発言できるかな?とか、感情に流されないで判断することなんてできるかな?とか、色々不安にもなってしまいました。でも、選ばれたら断る理由も無いですし、後悔しないようにやるしかない!わけですけどね・・。
この作家さんのことはずっと気になっていたので、他の作品もぜひ読んでみたいと思います。
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タグ:芦辺 拓
「評議」ですが、あれだけのデータからよくもまぁ無罪に・・・と驚きました。
あたしには無理〜・゚・(ノД`;)・゚・
どうか呼ばないでくれ。と裁判員法廷に行ってもしっかり仕事ができるかどうか不安になりました(笑)
ただの裁判ではなく、犯人まで見つけちゃうあたりが森江さん凄いなとただただ感心するばかりです(・∀・)
私も「無理〜」って思いました。「評議」は推理力が要りそうな感じでしたよね?そんなの無理!!でも実際、罪を犯していないのなら無罪にしないといけないわけで・・。本当に大変そうですよね。この本を読んで余計にそう思いました。
森江さんすごいですけど、もし自分が弁護を頼んだらハラハラしすぎて心臓に悪そうです(苦笑)