
P・G・ウッドハウス 著
岩永正勝・小山太一 編訳
「ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻」
(文春文庫)
20世紀初頭のロンドン。気はいいが少しおつむのゆるい金持ち青年バーティには、厄介事が盛りだくさん。親友ビンゴには浮かれた恋の片棒を担がされ、アガサ叔母は次々面倒な縁談を持ってくる。だがバーティには嫌みなほど優秀な執事がついていた。どんな難題もそつなく解決する彼の名は、ジーヴズ!世界的ユーモア小説の傑作選。裏表紙より
あらすじを読んで笑ってしまいそうになったので、そのまま載せました。「気はいいがおつむのゆるい」って!!すごい表現ですよね

バーティは、執事が雇えるような身分なわけですから、結構な金持ちです。金持ちらしく働きもせず、朝も遅くまで眠って競馬やゲームなんかに興じて、毎日をのんびり暮らしています。そんな刺激の少ない彼の生活に刺激をくれるのは親友ビンゴとアガサ叔母。
ビンゴは、バーティと同じように金持ちでありながら、伯父にお金をもらって生活しているので、伯父には頭が上がりませんし、彼の希望に沿わないと援助を打ち切られてしまうので、常に顔色をうかがっている状態です。なのに、ビンゴは惚れっぽい性格のせいで、身分の低い女性をすぐに好きになってしまいます。身分が低くても貧乏でも性格さえ良ければ問題は無いのですが、どうもろくでもない女性ばかりが好みのようで・・。
アガサ叔母はバーティが結婚しないことをかなり気に掛けていて、何とかして彼に良い女性を見つけようとしています。叔母には逆らえないバーティは、彼女が紹介する女性と何度か会うはめに・・。そして、大抵その女性がひどい経歴の持ち主だったり、いわくつきだったりするので、本当に迷惑でしかありません。
そんな迷惑な二人に振り回されるバーティには、心強い味方がいます。それが執事のジーヴズ。彼は天才的な能力の持ち主で、様々な機転を利かせて主人を助けます。
親友ビンゴを傷つけないように、でも女性とはうまく別れられるようにしますし、アガサ叔母の持ち込む縁談も相手を見てうまく正体を暴いていきます。
執事としての仕事も完ぺきにこなすジーヴズですが、問題はかなり頑固だという所。主人の服の趣味が悪いため、とんでもない服をチョイスしたがるのですが、ジーヴズはそれを決して許しません。もし強引にその服を着てしまうと、しばらく冷たい態度をとるくらい。藤色の靴下を履こうとしたバーティに冷たい態度をとったのには笑えました。
ジーヴズの活躍と主人バーティのボケっぷりには笑えるので、また読んでみようと思います。
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