
北森鴻 著
「緋友禅 旗師・冬狐堂」
(文春文庫)
古美術品、骨董品を扱う旗師・冬狐堂こと宇佐見陶子は、ある画廊で偶然見かけたタペストリーに、どうしようもなく惹かれてしまい、持っていた現金を全て差し出して、全作品を購入した。ところが後日郵送で送ってもらう予定だった作品がいつまでも届かないため、作者の元を訪れるとそこには彼の遺体があり、作品も消えていた・・−「緋友禅」他「陶鬼」「『永久笑み』の少女」「奇縁円空」計4編収録
旗師・冬狐堂(とうこどう)シリーズなのですが、これまたシリーズ3作目だとか・・


しかも、1作目2作目は別の出版社から出されているようで、探す方も困りますね〜。本棚に並べたときも不細工になりそうですし。さっそく、本屋に行って1作目を探すことにします。
冬狐堂こと宇佐見陶子は、目利きには定評があり一流の旗師です。しかも美人という設定。旗師というのは、店を持たずに骨董品などを仕入れて、別の買い手に売る・・という仕事をする人のことだそうで、先に依頼者がいてその人の希望する品を探すこともあれば、とりあえず売れそうな品を仕入れて、改めて売り手を探す場合もあるようです。
陶子はある画廊で開かれていた個展で目にしたタペストリーに惹かれてしまいました。個展を開いていた人物は全くの素人のようで、自分の作品を売るつもりもその術も知りませんでした。そんな彼に呆れつつも、120万円という大金を出して全作品を買うことにしました。
ところがいつまで待っても作品が送られて来ない・・。そして彼の遺体を発見してしまいます。しかも、作品も全て無くなっていました。陶子は現金を取り戻すため・・というよりも、彼の才能を埋もれさせないために作品を探すことにします。
私は古美術にも骨董品にも全く興味がありませんし、知識も全くありません。集める人の気持ちも全く理解できません。そんな私でも楽しく読むことができたのは、きっと宇佐見陶子という人に惹かれたことが大きいと思います。女性一人で厳しい世界を生きて、しかも周りから一目置かれるような腕前を持っている・・でも、独り言が多い

このシリーズ、骨董品の説明とか難しい部分も多いですが、ぜひ1作目から読んでみようと思います。
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