
北森鴻 著
「花の下にて春死なむ」
(講談社文庫)
俳人・片岡草魚(かたおかそうぎょ)が自宅でひっそりと亡くなっていた。死の直前まで書かれていた彼の句を元に、知られざる彼の人生をたどることにした七緒だったが・・−「花の下にて春死なむ」他「家族写真」「終の棲み家」「殺人者の赤い手」「七皿は多すぎる」「魚の交わり」計6編収録
先日読んだ「桜宵」はこの“香菜里屋”シリーズの2作目だったので、今回はやっと1作目を読むことに。1作目だからといって、特に説明があったわけではないので、2作目から読んでも問題は無かったのかな?と。
相変わらず美味しそうなビールと料理の数々(しかも最高のタイミングで出される)に、おなかがすいてしまいました。寝る前に読んだら夢の中で食べ物ばかり出てきて困りました・・。
「花の下にて春死なむ」は何とも切ない話でした。過去を隠して生きてきた老俳人が、自宅で孤独死する・・それだけでも悲しい話です。更に彼の部屋の窓辺には桜が一枝飾ってあり、それがひそかに咲いていたといいます。そして七緒が彼の人生を辿る旅に出るとますます哀愁が。
最後はマスター・工藤さんが意外な謎まで解き明かしてくれて、驚きと共に話が終わります。
「終の棲み家」も切なかったです。思わずほろり・・と涙が。これは良い終わり方だと思いました。
「七皿は多すぎる」の謎解きは私にはイマイチ理解できず。暗号とか出てくると頭が付いて行かなくなるんですよね・・

最後の「魚の交わり」では、1話目に出てきた七緒と草魚が再登場し、また新たな草魚の人生が掘り起こされます。彼の人生は幸せだったのかな?としんみり考えてしまいました。
このシリーズはまだあるようなので、ぜひ読んでみたいと思います。
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