
菊地秀行 著
「D−狂戦士イリヤ」吸血鬼ハンター18
(ソノラマ文庫)
貴族の若い墓守と戦おうとしていたDに「彼は私の弟です」と言って、勝負を譲ってもらった女性。彼女はイリヤという名の戦士だった。彼女の家族は貴族に襲われ、吸血鬼と化した兄弟を探して葬るために旅を続けていたのだった。肉親を倒す非情な面と共に優しさも併せ持つイリヤの内部には更なる秘密が隠されている・・。
今回のDは今までと違って、あっさりとイリヤと行動を共にします。雇われないと共に旅をすることなんてあり得ないですし「ついてくるのは勝手だ」とか何とか言って、嫌々一緒に旅をするというパターンが多い中、今回はそういったやりとりもなく、自然な流れで共に旅をします。
途中、両親を殺され、孤独になった少年と出会い、彼も共に旅をすることに・・。さすがに彼のことは途中で置いていこうとするのですが、結局はそれもかなわず、何度か命を助けつつ進みます。
イリヤには、戦士だけではない何かが内に秘められているとD(と左手)は感じていました。きっといつか本性を現すだろう・・と。でも、彼女には惹きつけられる魅力があったのか、左手の疑うような発言や厳しい言葉に耳を貸すこともなく、流れにまかせる感じで行動を共にしていました。
前半は、イリヤとDが珍しく語り合うシーンが多く、読者にとっても興味深い物でした。後半になってやっと敵とぶつかります。今回は水にも強いという珍しい貴族。
そして、イリヤの秘密が明らかになり・・。
悲しい結末が待っていますが、それでも最後にDの微笑が見られて、さわやかな気持ちで読み終わることができました。
<吸血鬼ハンターシリーズ>
「吸血鬼ハンター“D”」
「風立ちて“D”」
「D−妖殺行」
「D−死街譚」
「夢なりし“D”」
「D−聖魔遍歴」
「D−北海魔行」
「D−薔薇姫」
「D−蒼白き堕天使1」
「D−蒼白き堕天使2」
「D−蒼白き堕天使3」
「D−蒼白き堕天使4」
「D-双影の騎士1」
「D−双影の騎士2」
「D−ダーク・ロード1」
「D−ダーク・ロード2」
「D−ダーク・ロード3」
「D−邪王星団1」
「D−邪王星団2」
「D−邪王星団3」
「D−邪王星団4」
「D−邪神砦」
「D−妖兵街道」
「D−魔戦抄」
「D−血闘譜」
「D−白魔山 上」
「D−白魔山 下」
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