
北森鴻 著
「桜宵」
(講談社文庫)
亡き妻の手紙に導かれ、ビアバー“香菜里屋”へやって来た神崎。手紙には「最後のプレゼントを用意しておきました」と書かれていた。香菜里屋のマスター・工藤が出してきたのはある料理だった。この料理に込めた亡き妻の想いとは?−「桜宵」他「十五周年」「犬のお告げ」「旅人の真実」「約束」計5編収録
中にはゾクッとするような終わり方をする話もありましたけど、どれも面白かったです。ただ、この本は“香菜里屋”シリーズの2作目だったということが、読み終わってあとがきを読んでわかったんです


ビアバー“香菜里屋”は、工藤というマスターが切り盛りしています。落ち着いた雰囲気と最高の料理、そしてもちろん最高のお酒が出されるということで、いつも店は繁盛しています。
工藤には、最高の料理人だということ以外にちょっとした才能があります。それは、お客から聞いた何気ない話の中にある謎をキレイに解き明かすという物。その現場にいたわけでも、その人物に会ったことがあるわけでもないのに、物事の裏側まできちんと当ててしまう・・。
しかも、それをひけらかすわけではなく、客から問われたら答える感じ。でも、自分で「言っておかなければ」と思うことに対しては怯むことなくきちんと話すことができる。なかなかの人物です。
この作家さんの作品は1つしか読んだことがありませんが、そこに出てきたのも工藤に似た雰囲気の男性でした。その人のことも気に入ったのですが、今回の工藤も良いな〜と。とにかく、出てくる料理だけでも食べてみたい!


短編集ですが、1話目から順番に読んだ方が楽しめるようになっています(連作短編集です)。1話目に出てきた人が最後にも出てきてちょっと嬉しくなりました。最終話が一番ゾッとする終わり方だったんですけどね・・。
このシリーズは何冊かあるようなので、また読もうと思います。とりあえず、1作目から

↓ ランキングに参加中 ポチッ×2と押して下さるとうれしいです。

