2011年10月28日

柴田よしき「貴船菊の白」

貴船菊の白

 柴田よしき 著
 「貴船菊の白」
 (祥伝社文庫)



亡き妻が行きたがっていた秋の京都−そこは刑事なって初めて関わった事件で犯人が自殺した場所だった。刑事を辞めた男が15年ぶりに訪れたその場所には、貴船菊の花束が手向けられていた。花束に導かれるように自殺した男の妻と久々に再会し・・。−「貴船菊の白」他「銀の孔雀」「七月の喧噪」「送り火が消えるまで」「一夜飾りの町」「躑躅幻想」「幸せの方角」計7編収録


京都を舞台にしたミステリーが7話収録されています。ミステリーというか、恋愛小説のような雰囲気もあり、登場人物が話す京都弁が心地良い静かなイメージの作品集でした。


貴船菊の白」に出てくる元刑事は名前が書かれていません。短い話の中で名前も無い彼の人柄が全て出ているような気がしました。事件当時、自殺した犯人の妻は、夫が自殺したことを聞かされてもほとんど反応することもなく、淡々と受け止めていました。その態度を見て「冷たい女性」という印象をもったわけですが、実は彼女には強い想いがありました。何とも悲しい気持ちのする話でした。

ちなみに「貴船菊」というのは、表紙に描かれている花のことです。コスモスに雰囲気は似ているかも?でもコスモスより花びらが広めかな?と。私もよく知りませんが。


どれも面白かったのですが、特に気に入ったのは「幸せの方角」です。中年男性二人が久々に京都で再会し、酒を酌み交わすのですが、酒の力を借りてお互いの過去の恋愛話を語り合います。そして、片方の男性が語った話が切なくて・・。でも最後には前を向いて歩こう!という強い決意も見えて、とても素敵な話でした。


中にはやりきれない想いのまま終わる話もありますし、ゾクっとさせられる話もあります。でもそんな話の中にもどこか悲しい部分や、愛情溢れる部分があって、温かい気持ちにもなれます。そして、ちょっとした謎もあり・・。

この作家さんは女性の描き方がとても上手だな〜と改めて感じました。そこが好きでたくさんの本を読んでいるのですが。一見、強く見える女性も中身はものすごく弱かったり、逆に弱そうに見える女性に一本強い芯が通っていたり、複雑な恋愛の駆け引きやどうにもならないもどかしさなんかもとても細かく書かれています。

共感できるか?というと、自分がお子様すぎてなかなか難しいのですが、それでもやはり同性として理解できる部分は多いです。


久々に読んでやっぱり面白かったので、また他の本も読んでみようかな??


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posted by DONA at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:柴田よしき
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