
荻原規子 著
「西の善き魔女T セラフィールドの少女」
(中公文庫)
少女フィリエルが初めての舞踏会に行くという日に、亡き母の首飾りを手渡された。青い宝石の付いた首飾りを身につけて舞踏会へ行ったフィリエルは、自分の出生の秘密を知ることになってしまう。そして女王の後継争いに巻き込まれそうになりながらも、父親の天文台に戻った彼女をさらなる衝撃が襲う。一瞬にして環境が変わってしまったフィリエルは必死で困難に立ち向かう。
主人公フィリエルのことは今のところあまり好きにはなれないんですが、舞踏会、女王・・と王道らしい雰囲気が漂っていて、ファンタジー好きな私にはたまらない内容でした。結構、ドロドロしているんですけどね

フィリエルは初めての舞踏会に参加する朝、ウキウキと目覚めます。彼女の母親は早くに亡くなっていて、父親はいますが天文台に籠って星の研究をしているため、彼女の面倒をほとんど見ようとしません。見かねた近所に住むホーリー夫妻が彼女を育てていました。
ホーリーのだんなさんに送ってもらい舞踏会に参加したのは良いのですが、舞踏会を主催していた伯爵の息子・ユーシスに話しかけられたことから運命が大きく変わっていきます。その妹・アデイルがフィリエルの首飾りを見て驚き、女王と血縁関係があるのではないか?と言われます。
そこへやって来たのは、父親の弟子・ルーンで、彼はフィリエルの出生の秘密を父親から聞かされていました。自分のことを知らなかったフィリエルは、父親が自分ではなく弟子に話していたことにショックを受けます。
そして、事態は一変してしまいます。穏やかな雰囲気で流れていた物語も後半は怒涛の展開に。自然と読む速さもアップしていきました。
海外のファンタジーを読んでいる感じがずっとしていて、時々ふと「そういえば日本人が書いてるんだった」と思い出さないといけないくらい。
簡単に物語の風景を思い浮かべることができ、その場に自分がいるかのような錯覚に陥るくらい丁寧な描き方をされています。
まだまだ物語は始まったばかり。続きが楽しみです。
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