
池波正太郎 著
「鬼平犯科帳23 特別長篇 炎の色」
(文春文庫)
おまさは、五郎蔵と晩酌をしていたときに夜鴉が鳴くのを聞き、嫌な気持ちになった。翌日目覚めたときも嫌な気持ちは続いていて、見回りをするつもりが気づけば担当の区域ではない所にまで来ていた。そこでおまさは“峰山の初蔵”という昔盗みを辰だったこともある盗賊から声をかけられ「荒神一味の二代目に手を貸してほしい」と頼まれたのだった。
特別長編「炎の色」ということですが、その前に「隠し子」という短い話があります。
その話では、平蔵の亡き父親に隠し子がいたことが平蔵の家で中間をしていた久助から知らされます。亡き父から口止めされていた久助でしたが、その隠し子に危険が迫っていることを知り、平蔵に告白することを決めたのでした。
隠し子はお園と言い、平蔵の妹になります。平蔵は彼女を危険から救い、役宅で女中として使うことを決めました。彼女が平蔵の妹であることは、妻しか知りませんが、彼女は身を惜しまずよく働くため、他の女中たちからも好かれて充実した毎日を送っています。
そして「炎の色」へ。
この話ではおまさが中心となって進んでいきます。彼女が夜鴉の声を聞いたことで不安定となり、いつもと違う場所へ行ったために昔の盗賊仲間から声を掛けられることとなりました。もし彼女がここに来なければ、もっと捜査は難航したことでしょう。
荒神の二代目というのは、初代の隠し子だという女性です。不思議な雰囲気をもつこの女性になぜか惹かれてしまうおまさ。でもお役目は忘れず、盗賊改方の同心たちと協力して捜査にあたります。
今回も平蔵は命を狙われることに。でも自分だけが狙われたので、どっしりと構えて捜査にあたることができました。平蔵の妹・お園も活躍し、最後には嬉しい出来事も。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
「鬼平犯科帳4」
「鬼平犯科帳5」
「鬼平犯科帳6」
「鬼平犯科帳7」
「鬼平犯科帳8」
「鬼平犯科帳9」
「鬼平犯科帳11」
「鬼平犯科帳12」
「鬼平犯科帳13」
「鬼平犯科帳14」
「鬼平犯科帳15」
「鬼平犯科帳16」
「鬼平犯科帳17」
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