
菊地秀行 著
「D−血闘譜」吸血鬼ハンター16
(ソノラマ文庫)
サトリ村から雇われたDは、突然村に出現した黒い球体の正体を調査するよう依頼された。球体の前に立ったDの目の前で球体は割れ、中からマキューラ男爵という貴族が現れた。男爵の容姿も言動も従来の貴族とは全く違った存在だった。更に男爵は陽光の下で行動する・・。Dは裁判所へ移送する一行の護衛を頼まれ、男爵と行動を共にすることになった。
マキューラ男爵というのは、今までにないタイプの貴族です。Dが貴族の血を引くお陰で恐ろしいほどの美貌をもつ・・ということでもわかるように、貴族は一般的に美しくてスラッとしています。
ところが、この男爵は「チビハゲ貴族」とDの左手が呼ぶように背が低くてずんぐりしていて、ハゲています。ちょっと小太りな中年のおじさん

そのくせ、やたらと貴族としての誇りは高いため、言葉がとても偉そうです。でも行動はドタバタ。何だか憎めないタイプの貴族。さすがのDも何度か呆れた態度をとります。
男爵は昔、大量に人を使って実験を繰り返したため、裁判にかけられることになりました。そこまでDは付いていくことになります。そして次々と襲われます。
とまあ、今までと似たような感じの話ではありますが、男爵のキャラクターのお陰で、残虐で暗い話が明るく軽く感じられました。
Dの秘密に少し近づけそうな雰囲気があったのですが、結局は何も進展していません。どこまで引っ張るんだろう・・。
話の始めに出会ったハンターたちとも、なかなか良い関係を築きましたし、最後も悲しいけどさわやかな終わり方でした。
<吸血鬼ハンターシリーズ>
「吸血鬼ハンター“D”」
「風立ちて“D”」
「D−妖殺行」
「D−死街譚」
「夢なりし“D”」
「D−聖魔遍歴」
「D−北海魔行」
「D−薔薇姫」
「D−蒼白き堕天使1」
「D−蒼白き堕天使2」
「D−蒼白き堕天使3」
「D−蒼白き堕天使4」
「D-双影の騎士1」
「D−双影の騎士2」
「D−ダーク・ロード1」
「D−ダーク・ロード2」
「D−ダーク・ロード3」
「D−邪王星団1」
「D−邪王星団2」
「D−邪王星団3」
「D−邪王星団4」
「D−邪神砦」
「D−妖兵街道」
「D−魔戦抄」
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