2011年08月24日

赤井三尋「翳りゆく夏」

初めましての作家さんです。第49回江戸川乱歩賞を受賞した作品です。あまり賞のことは意識せずに読んだのですが。


翳りゆく夏

 赤井三尋 著
 「翳りゆく夏」
 (講談社文庫)



東西新聞に誘拐犯の娘が入社することが週刊誌のスクープ記事となったことで入社をやめようとしている優秀な彼女を必ず入社させるべく、人事部長・武藤は説得を始めた。一方で、20年前の誘拐事件の再調査を始めた東西新聞の窓際社員・梶は、当時の関係者から話を聞くうちにある事実をつきとめた。


面白かったです。一気に話に入り込めましたし、一気に読みきる感じでした。

最近読んだ、乃南アサさんの「風紋」「晩鐘」と同じようなテーマで、一つの事件が起こす波紋(影響)の大きさが描かれています。ただ、同じことを書いているのに、雰囲気は全く違いました。こちらは少し軽い感じがしたんですよね。

それは被害者や加害者の子どもの心境が書かれていないことが原因だと思います。第三者的な立場の新聞記者が当時の関係者たちに取材することで解決していくので、当事者と言える人たちの心の中は想像するしかない。

そのお陰で、最後まで暗くなりすぎず、でも適度に重くて読みやすかったんです。最後まで楽しめたんですよね。

ただ一つ残念だったのは、被害者本人(ネタバレになりそうなのでこんな説明になりますが)の未来が書かれていなかったこと。この人はどうやって事実を受け入れたのか?そしてどうやって乗り越えたのか・・が知りたかったです。


この作家さんの作品、他の物も読んでみたいと思いました。


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タグ:赤井三尋
この記事へのコメント
楽しんでいただけたようでよかったです♪
DONAさんの感想を読んで気づいたのですが、
そういえばあまり心理描写がない小説でしたね
(気づくの遅すぎ!)。
心理描写があればもっとドロドロな感じに
なったのでしょうか?
まあ、もっと深い作品にはなったかも
知れませんね。
Posted by チャウ子 at 2011年08月24日 11:39
>チャウ子さん、コメントありがとうございます。そして、素敵な本を紹介していただいてありがとうございました。

心理描写は少なかったですが、あまり書きすぎるともっとページ数が必要になったでしょうし、重くなったでしょうから、これくらいで良かったような気もします。
Posted by DONA at 2011年08月25日 10:52
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