2011年08月15日

高田郁「心星ひとつ みをつくし料理帖」

心星ひとつ

 高田郁 著
 「心星ひとつ みをつくし料理帳」
 (ハルキ文庫)



翁屋の主人・伝右衛門がつる家を訪ねてきて、吉原にある空き店舗で“天満一兆庵”を再建しないか・・と澪にもちかけた。一方、登龍楼からは登龍楼の一つの店舗を居抜きでつる家に買わないか・・ともちかけられた。登龍楼で働く、ふきの弟・健坊もつる家に移しても良いとまで提案され、どちらを選ぶか澪は決断を迫られることに−「天つ瑞風」他「青葉闇」「時ならぬ花」「心星ひとつ」計4話収録


1話目は珍しく泣かずにすんだので、このままいけるか?と思ったんですが、そうはいかず・・。2話目以降号泣・・でした。


今回の澪は、2つの選択肢からどちらかを選ばないといけないという展開がありました。


天つ瑞風」では、天満一兆庵を再建したら野江ちゃんを見受けすることもできるし、料理人としても更に大きくなれるし一流の腕にもなれる、登龍楼を買い取ってつる家を大きくすることはふきちゃんのためはもちろん種市にとっても嬉しいことに違いない・・と悩むことに。

澪の本当の気持ちは「このままの状態でつる家を続けたい」ということなのですが、一流の料理人になるためには今のままではダメだとある料理人から言われたことが引っかかり、決断することができずにいました。

そんなとき、手伝いに来ていたりうさんが「与えられた器が小さければ、自分の手で大きくすりゃあ済むことですよ」(中略)「精進を続けるひとに『ここまで』はないんですよ。『ここまで』かどうかは、周りが決めることではなく、自分自身が決めることでしょう」 と諭してくれて澪は決断することができました。


この話では、久しぶりに野江ちゃんと再会します。ふすま越しではありますが言葉を交わすこともできました。野江ちゃんは「どんなに辛いことがあったかて、生きて生きて、生き抜く、と決めた」と心強い言葉を口にし、澪は改めて強く生きていく決心をしました。


時ならぬ花」「心星ひとつ」の2話では、小松原さん絡みで決断を迫られることに・・。彼から澪はあることを言われます。小松原の言葉はネタバレになるから書きませんが、彼らしい素敵な言葉。でも澪の気持ちがわかってない!

この決断は本当に難しくて、苦しむ澪がかわいそうでなりませんでした。どちらに決断しても苦しい・・。読んでいて胸が痛い思いがしました。

澪に掛けた源斉先生の言葉は「悩み、迷い、思考が堂々巡りしている時でも、きっと自身の中には揺るぎないものが潜んでいるはずです。これだけは譲れない、というものが。それこそが、そのひとの生きる標となる心星でしょう」

澪の中にある“心星”を探してそれを目指して生きていけば良いと背中を押してくれました。でも澪が本当に望んでいることは、この時代では無理なことなわけで・・。

澪がどんな決断を下すのかはわかりませんが、どんな決断をしても応援していく!と決意しました。



<みをつくし料理帖>
「八朔の雪」
「花散らしの雨」
「想い雲」
「今朝の春」
「小夜しぐれ」


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posted by DONA at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:高田郁
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