
メリッサ・マール 著
相山夏奏 訳
「妖精の女王 フェアリー・クイーン」
(創元推理文庫)
フェアリーを見ることができる特殊な力を持つアッシュリンは、幼い頃から“フェアリーの気をひくな”“フェアリーを見つめるな”と祖母に言いきかされながら育った。彼女はその教えを守り、ずっと彼らの存在を無い物として暮らしてきた。ところがある日、人間の姿をしたフェアリーに誘われてしまい・・。
前回読んだ海外のファンタジーでは、初めから設定も世界観も登場人物の雰囲気も何もわからない状態だったのですが、今回は早めに色んなことが理解できたのでホッとしながら読み進めました。
フェアリーが見えるという特殊な能力を持つアッシュリンは、祖母の教えを守りずっと見えていても見えていないフリを続けていました。
フェアリーたちは自分の姿が人間に見えていないことを良いことにいたずらをしたり悪ふざけを繰り返していました。そんな様子をずっと見てきたアッシュリンはフェアリーのことを嫌な存在、怖い存在として認識していました。
ところがあるフェアリーがアッシュリンに声を掛けて来ます。その後もずっとしつこく付きまとう彼に怯えたアッシュリンは、友人のセスに相談します。彼はアッシュリンのためにできることは無いか?と図書館でフェアリーについて調べてくれます。
アッシュリンに近づいてきたのは、キーナンというサマーコートフェアリーのキングで、彼はサマークイーンとなる人間の女性を探していたのでした。
以前、何人か選んだ女性は全て“選ばれた者”ではなかったため、彼女らは人間からウィンターガールという妖精となって生きていくことになりました。前回選ばれたドニアは、今回選ばれたアッシュリンに警告します。
儀式を経てサマークイーンとなるのですが、それに失敗するとドニアのように冬に生きる妖精となるわけです。
・・とまあ、とてもファンタジーらしい内容。今までフェアリーといえばティンカーベルのようなかわいらしい小さなふわふわした生物だと思っていたのですが、この話の中では妖怪に近いイメージがわいてしまいました。もしくは、変な格好をした人間。
とてもファンタジーらしいのに、アッシュリンに関係した部分ではやたらと恋愛が絡む

キーナンが誘惑するとほぼ全員の女性は誘いにのってしまうというほどの魅力がある彼。そんな彼にクラクラしながらもセスとの関係を壊したくない!と強く思っては跳ね返す・・。でもセスと恋人関係になったら良い友だちでいられなくなる・・というイラッとする感じ。
で、最終的に全てがアッサリと収まってしまった・・

一応、シリーズ化していてまだ続きがあるようです。でも、これで終わった感じがしたので多分続きは読まないと思います。
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