
大沼紀子 著
「真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ」
(ポプラ文庫)
眠らない街の中に真夜中だけ開くパン屋さんがあった。いつも笑顔で人当たりの良いオーナー・暮林、顔立ちは綺麗だが愛想の無いパン職人・弘基の二人が働くこのパン屋に、女子高生・希実が突然やって来て居候となった。彼らは夜のパン屋にやって来る不思議な客が起こす事件に巻き込まれてしまう。
カッコウみたいな母に育てられ、色々な人に育てられて、住む所も転々としていた希実。今度住む場所として母親が書き置きしていったのが、真夜中だけ開いているパン屋を経営している暮林の所でした。
今まではなるべく心を開かないようにと、自分を防衛していた希実ですが、暮林の笑顔と温和な話し方に惹きつけられるようにして、この居場所に馴染んでいきました。気付けばパン職人の弘基にパン作りの指導を受けたり、店を手伝ったりするようになっていました。
こんな感じで進んで行く話で、きっとこのまま希実を中心に話が進んで行き、最後にはお母さんも出てきて事情とか語ったりするんだろう・・と予測していたのですが。
希実が中心の話は一話だけで、後はこのパン屋にやって来る客が抱える問題をみんなで解決する・・という内容になっています。都会らしくちょっと変わったお客が多いですし、悩みもちょっと変わっています。でも、ほんのわずかな部分でも自分に当てはまる所はあるな・・とも思えるような、本当に誰もが悩むようなことだったりします。
話の題名がパンを作る工程になっているのもあって、ずっとパンの良い匂いがしてくるような本でした。弘基がパンを作るときは愛情をこめないと・・と言う度に、だから私はパン作りが下手なんだなと納得してしまいました

表紙が暗いんだか明るいんだか、ジャンルもわかりづらいし、個人的にあまり好きじゃない絵だし・・と手に取るのを躊躇したこの本ですが、中身は意外と面白かったと思います。とりあえず表紙はイメージと違うな・・と

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では、読んでみようっと!
ちょっと今本が溜まっているので、
しばらく先になりそうですが‥。
加納朋子さんの作品と雰囲気は似ているかも?加納さんほどさわやかさが無い感じ・・。もうちょっと俗っぽい?表現が難しいですが。
チャウ子さんの感想楽しみにしています。