2011年06月18日

L.T.フォークス「ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ」

ピザマンの事件簿

L.T.フォークス 著
  鈴木恵 訳
 「ピザマンの事件簿 デリバリーは命がけ」
 (ヴィレッジ・ブックス)



元大工のテリーは暴力事件を起こして、刑務所に入っていた。出所した彼は家も家族も車も何もかも無くしていたが、親友のダニーの家に居候させてもらえることになった。金を稼ぐために偶然見かけたピザ屋で配達の仕事に就いたテリーは、充実した毎日を送る。ところが、ピザ屋の裏で従業員が殺害され、前科者のテリーは疑われてしまう。


暴力事件を起こした前科者・・という設定上、頑固で怖いイメージを持って読み始めましたが、意外と良い奴で安心しました。いきなり「おれは」と語り口調で始まったときはどうしようか?あせあせ(飛び散る汗) と焦ってしまいましたけど、それもだんだん気にならなくなって話に入ることができました。

ミステリーとしてはかなり物足りないというか、犯人が出てきたとたんにわかるような状態で、あっさりとつかまってしまうのが残念でしたけど、他の部分で充分楽しめたので良かったです。

主人公・テリーは前科者ですが、とても真面目でキレイ好きで、ピザの宅配の仕事もきちんとこなします。仕事にも遅れずに行き、たまに入る大工の仕事もきちんとやりました。なぜか、テリーの周りの人は“デッキ”を作りたがるexclamation 意味がわかりませんけど、それがアメリカらしいというか、田舎っぽい感じで笑えました。

テリーには親友のダニー以外にもたくさん仲間ができました。しかもみんな良い奴。ピザ屋で出会った、バンプ、グラフ(どちらもあだ名です)そして新しく同居することになったジョン。彼らはテリーを前科者としては扱わず、気を使うことなく、でもさり気ない所で手を差し伸べる・・という良い関係が築けていて、うらやましくなりました。

真面目なテリーは、決められた日時にきちんと保護観察官にも会いに行き、きちんと日常を報告し、ついでにその相手とも仲良くなります。

ただ、元奥さんがなかなかのくせ者でたらーっ(汗) テリーも彼女だけには手を妬いています。これからも出て来そうな彼女。二人のやりとりが楽しみです。

私が特に気に入ったのは“プリンセス”というあだ名がついたピザ屋で共に働くおばさん。目立たない存在だった彼女ですが、後半に急に現われ、意外と仕事の出来る人で、しかも度胸があることがわかりました。彼女の今後も楽しみです。


もうすでに2冊目が出ているので、早く読もうと思います。


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この記事へのコメント
こんにちは。

な・・・何ですか!?この素敵なタイトルの本は!
タイトル見ただけで笑ってしまいました。
めっちゃ読みたいです。
デリバリーは命がけ。
うーん。そそりますね(^^)
是非読みたいと思います。
Posted by igaiga at 2011年06月21日 14:32
>コメントありがとうございます。

面白いタイトルですよね〜。
コージーミステリーがお好きなら気に入ると思いますよ。読んでみて下さいね。
igaigaさんの感想が楽しみです!
Posted by DONA at 2011年06月21日 21:05
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