2011年06月15日

上橋菜穂子「天と地の守り人 第三部」

天と地の守り人 第三部

 上橋菜穂子 著
 「天と地の守り人 −第三部 新ヨゴ皇国編−」守り人シリーズ7
 (新潮文庫)



ロタとカンバルが同盟を結び、新ヨゴ皇国を守るためにそれぞれが軍を貸してくれた。チャグムはその軍を率いて故郷を目指すことに。一方、バルサはナユグが春を迎えることで起きるであろう災害を知らせるため、同じく新ヨゴ皇国へ。そしてタンダが兵として戦に行ったことを知り、助けに向かう。チャグムの軍は国を守ることができるのか?災害を逃れるすべはあるのか?


チャグムとバルサは別々に新ヨゴ皇国へ戻ることになります。バルサは、呪術師たちに災害について知らせて、国の人たちを何とか逃れさせようとします。チャグムは、ロタとカンバルの軍の先頭に立って国に入りました。

バルサは、タンダのことを知り、あわてて彼を助けに行くことにしました。途中で四路街という町に行き着き、そこに住む町民たちをロタ王国へ逃がす協力をします。この国の帝(チャグムの父)は、自分の住む所でもある都以外は捨てる決意を固めたため、タルシュ定刻の軍に町を取られるくらいなら・・と焼き払う恐れがあるというのです。


帝を始め、新ヨゴ皇国の軍を率いる武将も、タンダたちのような草兵と呼ばれる寄せ集めの兵のことを捨て駒のようにしか考えていないことが信じられませんでした。同じ人間なのに、なぜそんなに非道になれるのか・・。本当に呆れてしまいますし、怒りで震えそうになりました。

でも、後半になりチャグムと再会した後の帝の様子を見ていると、実は彼もかわいそうな人だったのかもしれない・・と思うようになりました。天子として崇め奉られるような人生が幸せだとは思えません。実際に天子ならともかく、他の人と変わりない何の力も無い人間なのですから。違う家に生まれていれば違った人生があっただろうにもうやだ〜(悲しい顔)


チャグムは、ロタとカンバルの兵の後ろにいるように言われますが、助けてくれている兵たちに戦わせて自分だけ見ていることはできない・・と、先頭を切って戦に斬り込んで行きました。大怪我をして宮に戻った彼は、家臣たちが驚くほど風貌が変わっていました。それだけの経験を積んで戻った彼の言葉はみんなを動かしました。

チャグムが国を治めることになったときに戦で大きな被害を蒙った民たちから、さらに重税を搾り取ることだけはしたくなかった。と、他国から借りる決意をします。この文章、今日本を動かしているらしき政治家たちに読ませたい!と思ってしまいました。一瞬、現実に戻りましたあせあせ(飛び散る汗)

バルサがタンダを探すとき、なんの根拠もないけれど、タンダが死んだら、自分には、なにか感じられるはずだ、と、バルサは思っていた。それを感じないということは、タンダは、生きている。くだらない思いこみでも、そう思っていたかった。という文章があり、思わず涙ぐんでしまいました。そして彼のことを「つれあい」と言うバルサ。やっとここまできたか・・と思うと感動しました。


「精霊の守り人」から始まったこのシリーズもとうとう終わりです。読み終わったとたん、大きなため息が出ました。何も考えられないようなすごい余韻・・。

ラストシーンがまた良くて、幸せになりました。

あとがきも良かったです。最後の文章にまた泣きそうになりました。ぜひ最後まで読んでください。


守り人シリーズは長かったですけど、色んなエピソードがつまっていて、登場人物たちがみんな活き活きとしていて、本当に面白い物語でした。読んで良かったですぴかぴか(新しい)

また1から読み直したいと思います。


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posted by DONA at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:上橋菜穂子
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