2011年06月03日

有川浩「図書館危機」

図書館危機

 有川浩 著
 「図書館危機」図書館戦争シリーズ3
 (角川文庫)



ずっと憧れていた「王子様」の正体を知ってしまい、どうしても固い態度をとってしまう郁。そして、記者・折口が人気俳優にインタビューした記事が世間を巻き込む大問題に発展し、更には美術展で飾られることとなった“自由”をテーマにした絵画が検閲される危機に陥り、堂上班も応援に向かったのだが・・。


前作で、憧れの王子様の正体を知った郁。当然、今までと同じ態度で接するわけにはいかず・・。という感じで、前半は何とも甘々ハートたち(複数ハート)状態もうやだ〜(悲しい顔)

これは、恋愛小説なのかexclamation&questionと突っ込みたくなるくらいの甘さで、辛くなってきた頃、話は動き始めました。


玄田隊長の親しい友人(?)でもある折口がインタビューして書いた記事が、人気俳優のお気に召さず出版すらできないかもしれない・・という状態に。

その俳優がインタビューで使ったある言葉が、検閲の対象になるということで、別の言葉に置き換えたことが、気に入らなかったわけです。両者が譲らない状況のとき、折口は玄田に助けを求めます。

そして玄田が出した答えはなかなかカッコいいもので、一石二鳥というか、スカッとする対策でした。まあ、普通は無謀過ぎてやらないことですけどねあせあせ(飛び散る汗)

この話は第3章「ねじれたコトバ」なんですが、この章は色々考えさせられました。言葉って本当に難しいですね。こうやって気軽にブログなんて書いてますが、知らないうちに誰かを傷つけていることもあるのかもしれない・・と思うとちょっと怖くなります。

こんな素人の人気も無いようなブログでもそんなこと考えるんですから、世の中の作家さんや編集に携わる人たちは大変な苦労があるんだろうと思います。言葉って簡単に別の物に置き換えられない場合も多いですよね。そうなると、自分の表現したいことを優先させるべきか、それよりも傷つくかもしれない人がいるならそちらに配慮すべきか・・それを決めるのは、本当に難しい選択だと思います。

今の世の中でも悩むわけですから、もし、この話のような世界になったら・・と思うとゾッとしますね。そして、もしそんな世界になったとしても、それに何となく慣れていくであろう自分自身も怖いです。


と、色々考えさせられた今回。次回もきっと甘さが増しているでしょうが(柴崎&手塚まで何かありそうですし・・)、そこらへんはサラッと流しつつ読もうと思います。


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posted by DONA at 11:33| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書:有川浩
この記事へのコメント
それまでのハードボイラーなDONAさんからは
想像も出来ないようなエリアに足を踏み出されたのですね!

って、わたしも推奨した記憶がある有川シリーズ( ̄∀ ̄;)
で、この『危機』あたりが一番面白い!と言えるかもしれません♪

わたしもこのシリーズ読破中には、自分の身辺にやたら神経質に
なったり、図書館に出入りするだけで緊張したりして(* ̄m ̄)プッ

今思うと恥ずかしい限りの行動なのですが、当時の当人にはそれがとても楽しかったように記憶しとります(^−^)
Posted by mizzo at 2011年06月04日 21:53
コメントありがとうございます。

私も今の所、この「危機」が一番好きかも。内容が濃くて深かった気がします。

確かにこれを読むと、図書館に出入りする男性は緊張するかもしれませんね。本屋さんにも居る・・というのを聞いてびっくりしました。気をつけないと!って誰も私を狙ったりしないでしょうけど(苦笑)
Posted by DONA at 2011年06月05日 16:22
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Tracked: 2011-06-04 21:54