
池波正太郎 著
「鬼平犯科帳21」
(文春文庫)
前回の事件で長官に叱られ、勘定方へ戻された細川同心が、非番の日に、怪しい浪人を見つけた所から盗賊を捕らえることとなった。−「泣き男」他「瓶割り小僧」「麻布一本松」「討ち入り市兵衛」「春の淡雪」「男の隠れ家」計6編収録
勘定方から探索方へやっと異動できたというのに、前回の事件で女にうつつをぬかしてしまい、長官・長谷川平蔵の怒りをかうことに・・。
そして、また勘定方へ戻されたのですが、実際には前回、手柄を立てたのだから・・と納得できずにいた細川同心は、連日飲み歩いていました。
そんなとき、道でぶつかった浪人に思いっきり投げ飛ばされ、更に落ち込みます。ふらふらと歩いているうちに、偶然先ほどの浪人を見かけました。その浪人は、目の見えない座頭・辰の市と話していました。この座頭は役宅にも出入りする者で、目が見えないはずがそのときは目を開けて話していたことで不審感を募らせます。
長官に報告した細川同心が、再び手柄をたてるまでの話です。平蔵の優しさや部下を想う気持ちの深さに感動します。
よく泣く同心ではありますが、少しずつしっかりしてくる様子が微笑ましくて、つい応援してしまう感じです。私は木村忠吾の方が好きですけど。
「春の淡雪」では、また平蔵が部下である同心の不祥事と向き合うことになります。そして最後に平蔵が信頼する佐嶋与力と思いがけない会話をかわします。
平蔵のこの仕事にかける誇りや情熱が伝わって来る話でした。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
「鬼平犯科帳4」
「鬼平犯科帳5」
「鬼平犯科帳6」
「鬼平犯科帳7」
「鬼平犯科帳8」
「鬼平犯科帳9」
「鬼平犯科帳11」
「鬼平犯科帳12」
「鬼平犯科帳13」
「鬼平犯科帳14」
「鬼平犯科帳15」
「鬼平犯科帳16」
「鬼平犯科帳17」
「鬼平犯科帳18」
「鬼平犯科帳19」
「鬼平犯科帳20」
↓ ランキングに参加中です。

