2011年04月26日

柴田よしき「水底の森 下」

水底の森 下

 柴田よしき 著
 「水底の森 下」
 (文春文庫)



逃げ続ける風子の容疑は高まっていくばかり。所轄刑事・遠野要は風子の過去を知る人物たちから話を聞き、彼女の波乱に満ちた半生を知る。犯人は本当に彼女なのか?そして、遠野要にも衝撃の展開が・・。


ページ数の多い、本当に長い物語でした。

でも読んでいる間は気付かないような長さ。読み終わって初めて「長かったな〜」と。

きっと、風子の人生をずっとそばで見ているような感覚になるからだろうとは思いますが。それほど彼女の人生は重たかったです。

幼い頃から父親に恨まれ嫌われ捨てられた彼女。そこからの人生は誰かに頼り、誰かの人生に深く関わり、利用され、翻弄され、自分という物をほとんど持たずに生きている感じでした。

誰かの人生に深く関わる割には、自分で心の底から愛していた男性はただ1人・・という悲しい過去。

“魔性の女”と呼ばれがちな女性ですが、そんな言葉で片付けるには重たすぎ、まじめすぎ、まっすぐすぎる女性。


ミステリーなので、事件を解決していくわけですが、途中からもうそんなことはどうでもいいような感覚がしてくるくらい、風子の人生に深く関わってしまう感じがしました。

そして、遠野要。彼のことは私には理解できませんでした。あまりにも唐突に狂っていったように見えて・・。人はそれだけ簡単に落ちることができるのか?と思うと怖い気がしました。


ずっとそばで風子の人生を見てきたわけですが、共感できたか?と言うと、実は全くできなかったんですよね・・。

何度も「もっと強くならなきゃ!自分の意志を持って!」と叫びたくなるくらいもどかしい気持ちがして・・。

きっと、せめて一度でも死ぬほど人を好きになったことがある女性や、誰かの人生を変えるほど深く関わったことのある人なら共感できる所もあるのかもしれない・・と思います。

私にはちょっとわかりにくい、難しい感情がたくさん書かれていた作品でした。


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posted by DONA at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:柴田よしき
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