
池波正太郎 著
「鬼平犯科帳20」
(文春文庫)
友人の病床を訪ねた帰り道、平蔵は知り合いを見かけた。昔、平蔵と同じ高杉道場に通っていた甚助というその男は、女につかみかかられていた。女は「敵討ちの約束が守れないなら金を返せ」と甚助に叫んでおり、その尋常ではない様子に平蔵は後をつけたのだった−「助太刀」他「おしま金三郎」「二度ある事は」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「寺尾の治兵衛」計7編収録
平蔵が知っていた頃の甚助は、平蔵ほどではないしても、同心・木村忠吾よりは確かな剣術の腕をもっていました。
そんな甚助が「敵討ちの約束を守らない」と女につかみかかられている・・後をつけた平蔵は、甚助に事情を聞きます。実際は“聞く”という生易しいものではなく、脅した感じでしたけど。
その女・お峰は、以前、甚助が無頼の者たちを蹴散らしたのを偶然見かけたことで、自分の敵討ちをしてもらおうと頼んだのでした。
目指す相手も見つけたのに、やる気の出ない甚助がずっと先延ばしにしていたため、お峰に怒鳴られていたのです。
事情を聞いた平蔵は、甚助を叱り「平蔵が助太刀をする」という条件で何とか敵討ちをしに行きます。相手に名乗って向かって行ったのですが・・・。
そこからお峰の敵討ちは思うわぬ方向へ向かってしまいます。
「女というのは恐ろしい」と語る平蔵の姿が印象的な話でした。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
「鬼平犯科帳4」
「鬼平犯科帳5」
「鬼平犯科帳6」
「鬼平犯科帳7」
「鬼平犯科帳8」
「鬼平犯科帳9」
「鬼平犯科帳11」
「鬼平犯科帳12」
「鬼平犯科帳13」
「鬼平犯科帳14」
「鬼平犯科帳15」
「鬼平犯科帳16」
「鬼平犯科帳17」
「鬼平犯科帳18」
「鬼平犯科帳19」
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