
矢崎存美 著
「キッチンぶたぶた」
(光文社文庫)
由良は幼い頃から心臓が悪く、入退院を繰り返していた。少し体調が良くなってきたとき、ふと体に悪い物を食べたくなった由良は、病院をこっそり抜け出し、ある洋食店に入った。そこでフライパンを振っていたのは小さな体の不思議な生き物だった・・-「初めてのお一人様」他「鼻が臭い」「プリンのキゲン」「初めてのバイト」計4編収録
身体が弱いせいで、母親や弟が壊れやすい人形のように自分を扱うことに申し訳ない気持ちになっている由良。退院が近づいた頃、長い入院生活で病院食に飽きたこともあり、ふと“体に悪い物”を食べたくなりました。
そこで、初めて病院を抜け出し、目に付いた洋食屋へ。カウンターに座り、キッチンを見てみると驚く光景が!
小さなぶたのぬいぐるみがフライパンを振り料理を作る様子を見て、初めは驚いた由良も、次第に癒されていきました。味も最高だったので、それからもこっそり通い詰めることに・・。
そうなると病院食を残す結果になるわけで「食欲が無いのでは?」と周りに心配をかけてしまいます。
「鼻が臭い」は、ストレスが原因で鼻が利かなくなった男性の話。料理の味をあまり感じなくなってしまい、妻の作る食事を“餌”のように感じていました。サウナで出会ったぶたぶたさんと親しくなり、ぶたぶたさんの洋食屋で料理を作る様子を見ているうちに、自分でも作ろうという気持ちがわきます。
「プリンのキゲン」は、プリンが大好きなOL・京香の話。ぶたぶたさんの洋食屋のプリンが美味しいと評判なのを知り、京香は店へ行きます。ところがプリンは滅多に作らないし、4つしか作れないということで、なかなか食べることができません。
やっと食べることができてあまりの美味しさに感動し、友人に食べさせようと持ち帰ったところ、味が落ちていたのでした・・。なぜ味が落ちたのか?
今回は、ぶたぶたさんの洋食屋“キッチンやまざき”を舞台の話が収録されています。偶然やって来た人、調べて来た人、頼まれて来た人・・それぞれ理由は違いますが、ぶたぶたさんの洋食屋に来て料理と人柄に癒されて帰るのでした・・。
ぶたぶたさんの点目がますますかわいくて(中身はおじさんですけど

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