
池井戸潤 著
「オレたち花のバブル組」
(文春文庫)
老舗の伊勢島ホテルが多額の損失を出してしまい、融資した東京中央銀行は再建を手助けすることになった。その仕事を任された半沢直樹次長だったが、ホテル関係者や銀行内部の妨害もあり、苦戦する。また、半沢の同期の近藤も出向先の会社で社長や部下から協力を得られず、資金繰りに苦心していた。
老舗ホテルの再建を任された半沢は、実際の損失額と、なぜ事前に気付けなかったのか?を探り、再建のためには何をするべきか?を考えていきます。
銀行内部(上層部)や融資先からの妨害に合い、苦戦を強いられるのですが、更に今回は金融庁まで絡んできてややこしいことに・・。
金融庁の検査はさらっと調べて終わりのはずが、今回の検査官・黒崎は一筋縄ではいかないタイプ。伊勢島ホテルの融資について徹底的に調べ、攻撃するつもりでやって来ているので、半沢は急いで確実に再建できる案を出す必要に迫られたのでした。
半沢の同期の近藤は、心の病のせいで休養し、銀行から出向させられています。出向先の会社では社長が「銀行さん」と呼んで身内扱いせず、部下からも大事な書類を隠され、必要ないような扱いを受けるのでした。
また心の病に侵されそうになる近藤・・。でも自らを奮い立たせて、同じく同期の渡真利にも助言してもらったり、裏から手をまわしてもらったり、情報をもらったりして手伝ってもらいながら、社長と部下に立ち向かうのです。
仕事は二の次で余暇を楽しめればいい、そう考えたこともある。しかし、一日の半分以上も時間を費やしているものに見切りをつけることは、人生の半分を諦めるのに等しい。誰だって、できればそんなことはしたくないはずだ。いい加減に流すだけの仕事ほどつまらないものはない。そのつまらない仕事に人生を費やすだけの意味はあるのか?
これは近藤の叫び。私の心にもグサッとささる言葉でした。
そんな近藤の立ち直っていく姿、そして二人の人間をやり込めていく姿はとてもかっこよかったですし、感動しました。
近藤は最後に半沢を裏切ってしまうような選択をします。でもそれを聞いた半沢は「お前は銀行員として当然の選択をしたにすぎない。人間ってのは生きていかなきゃいけない。だが、そのためには金も夢も必要だ。それを手に入れようとするのは当然のことだと思う」と言い、逆にその選択を喜ぶのです。
半沢VS黒崎の決着がついたとき、渡真利が喜んでこぶしを上げた瞬間、私も思わずガッツポーズをしたくなるくらい嬉しくなりました。
しかし、銀行ってのは・・


でも、同期って良いな〜とも思えました。バブル期の同期ということで更に結束も強いのかもしれませんが、半沢、渡真利、近藤の関係はつかず離れずで素敵です。
1冊目よりも更にパワーアップした感じのする今作。とても面白く読めました。
きっと続きもあるでしょう・・。楽しみに待つことにします。
半沢の奥さん、花さんの金融庁に対する啖呵もかっこよかった!
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なんかとっても応援したくなるキャラでした。
半沢の奥さんもいいキャラでしたね。
これぐらいはっきりしてる人って気持ちいいです!
私も近藤さん好きです。よくぞ立ち直った!と拍手したいくらい。
近藤さんの奥さんみたいに影でそっと支える人も素敵ですが、花さんみたいにハッキリしている人も素敵。まあ、もうちょっと半沢に優しくしてもらいたいですが・・。
半沢さんカッコ良いなぁ。でもちょっと出来すぎ?
私は同じ種類のカッコ良さ(正義系?)では竜崎さんのほうが好きかなぁ。