
池波正太郎 著
「剣客商売 暗殺者」
(新潮文庫)
小兵衛は友人を訪ねた帰り道、凄腕の浪人二人を一瞬にして蹴散らした剣客を見かけた。波川周蔵という名のその剣客は、小兵衛が見ていて「大治郎も負けてしまうかも」と思うほどの腕前だった。その後、大治郎の暗殺計画を聞いた小兵衛は、息子を助けるため、十手持ちの弥七、徳次郎と共に探り始めた。
前作で、昔の兄弟弟子で親しくしていた内山が亡くなってしまったことをまだ引きずってしまっている小兵衛は、年が明けても気分が落ち込んで仕方ありませんでした。
やっと落ち着いた頃、友人を訪ねることにしたのですが、その帰りに剣客を見かけるのでした。
腕の立つ浪人二人を殺すことなく、少しずつ傷つけて蹴散らした、波川の腕前に感動した小兵衛は、彼の様子を見て、何だか不吉な物を感じたのでした。
その後、偶然耳にした大治郎の暗殺計画。この計画に波川が助っ人として参加しそうな気配だと知り、あわてる小兵衛。
暗殺計画を企む者たちを調べるうちに、裏に世の中をひっくり返すような動きがあることを探りあてます。
小兵衛がどんどん気弱になり、大治郎がどんどん大きくどっしりしていくのが嬉しいような寂しいような複雑な気持ちになりました。
このシリーズは、後、番外編を残すのみになってしまいました・・。本当はもっと続けてほしかったのですが残念です。
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです


