
矢崎存美 著
「ぶたぶたの食卓」
(光文社文庫)
ピンク色のかわいいぶたのぬいぐるみ、でも中身は中年男性の山崎ぶたぶた。料理が得意な彼が作る料理は美味しいだけではなく、どこか懐かしい気持ちになれる味。食べたら亡くなった祖母を思い出したり、元気になれたり、人生を考えることも・・。「十三年目の再会」「嘘の効用」「ここにいてくれる人」「最後の夏休み」計4編収録
小さなぶたのぬいぐるみがどうやって料理を作るのか?・・・想像するだけでかわいいですよね。
しかもとても器用で美味しい!ぜひ食べてみたいもんです。
「十三年目の再会」では、亡くなった祖母の思い出の場所へ引っ越して来た由香がチャーハンを食べて祖母を思い出します。
偶然入った中華料理店で食べたチャーハンが祖母の味そっくり。そして、ぶたぶたさんとの出会いから祖母との意外な接点が見つかります。祖母や両親の思いを知り、家族の大切さを改めて感じます。
「嘘の効用」では、仕事を辞めて何をするかも決まらずフラフラしていた琢巳が偶然見かけた料理教室に入ります。ぶたぶたさんと出会い、実家の農業を手伝う決心をします。
「ここにいてくれる人」は、うつ病になった美澄が精神科に通う話。夫にも言えずに悩み苦しむ美澄にぶたぶたさんが美味しい料理を食べさせ、少しずつ元気にしていきます。
「最後の夏休み」は、ぶたぶたさんの娘の同級生だった一司の話。事情があって両親と暮らせず、親戚をたらい回しにされ、辛い日々を送っていた一司が初めて仲良くなったのがぶたぶたさんの娘でした。
子どもの頃は心を開けなかった一司が、大人になってぶたぶたさんに合いに来て、前向きに進むことを決心します。
ぶたぶたさんのさり気ない行動にふっと笑え、ぶたぶたさんの何気ない言葉にはっとさせられる・・そんな話でした。
1時間くらいであっさり読めますが、色々と考えさせられる深い内容です。
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第一弾だけ読みました。
ほんわかキャラとハートフルなストーリーが秀逸でしたね♪
意外と面白かったですよね?(意外とというのは失礼か・・)
あっという間に読めるのに、さり気ない言葉の中に深い意味があったりして、ちょっと感動したり泣けたり・・。
なかなか良い作品だな〜と思います。