
矢崎存美 著
「ぶたぶた日記(ダイアリー)」
(光文社文庫)
義母の代わりにエッセイ講座に通うことになった、ぬいぐるみのぶたぶた。見かけはかわいいピンク色のぶたのぬいぐるみだが、中身は立派な中年の男性という山崎ぶたぶた。同じ講座に通う生徒や講師と仲良くなり、それぞれの人生を明るく楽しく変えていく。
ぶたのぬいぐるみが主人公だということはあらすじでわかっていたのですが、どんな登場の仕方をするのか、どんな状態で存在するのか、色々と気になりつつ読み始めました。
いきなり「義母」という言葉が出て来て、「私の妻−つまり娘」とか書かれていて誰が誰のことを言っているのか、どういう話なのかさっぱりわからなくなりました。
で、この文章が実は誰かが書いたエッセイだということがわかり、エッセイ講座で読まれていることがわかってからは一気に引き込まれていきました。
講座にいきなり現われたぶたのぬいぐるみ、山崎ぶたぶたさん。彼の存在が講座の生徒も講師も巻き込んでいきます。
話は6話あって、それぞれ講座の講師と生徒たちが一人ずつ主役となって進みます。まずは講師から。ぶたぶたさんとの出会いとその衝撃が語られるわけですが、その素直な感情が妙に笑えるんです。
生徒はぶたぶたさん以外に5人。OL、主婦、学生の女子、サラリーマン、定年後の男性・・とバラバラですが、それぞれぶたぶたさんと仲良くなり、相談をもちかけたり一緒に買い物や食事へ出かけたりします。
初めはとまどっていた生徒たちも、意外とあっさりぶたぶたさんの存在を受け入れていくのがおかしくて、思わず声を出して笑ってしまうほど

本を読んで笑うことってあまりない私にとっては貴重な作品かも。
そして最後の話ではちょっとほろりとさせられる・・本当に面白い本でした。
ぶたぶたシリーズは光文社だけではなく、別の出版社からも出ているようで、そちらが先みたいなのでまた捜してみようと思っています。
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