2010年12月25日

池波正太郎「剣客商売 十番斬り」

池波正太郎著 「剣客商売 十番斬り

(新潮文庫)


余命わずかと診断された中年の剣客・村松太九蔵は、死ぬことを恐れてはいないが「やり残したことがあるからもうしばらくは生きていたい」と名医・小川宗哲に診察を頼んだ。ちょうどそのとき宗哲を訪ねていた小兵衛はこの浪人のことが気になってしまう。彼は何をやり残したのか?死病に冒された身でありながら何をしようというのか?−「十番斬り」他「白い猫「密通浪人」「浮寝鳥」「同門の酒」「逃げる人」「罪ほろぼし」計7編収録


村松太九蔵の名前だけは知っていた小兵衛。それだけ有名な剣客で、昔、彼の道場を訪ねてどんな人物か会って話してみたいと思っていた矢先、4人の剣客と果たし合いの末、殺害し、江戸を離れてしまったのでした。

それ以来久しぶりに聞く名前に懐かしくなり、今度こそ会って話したい思いもあり、彼を見舞がてら訪ねてみることにした小兵衛ですが・・。

村松がやり残したこととは、世話になった村に巣くう無頼浪人たちを一掃することでした。この浪人たちは数十人の集団で、女性を犯したり、盗みをはたらいたり、無銭飲食をしたり、村人が怖がって何もしないのを良い事にやりたい放題でした。

それを病身でありながら斬り倒すことに決めた村松。一度には相手できませんから、数人ずつ出かけて行くのを見かけては斬っていました。

最後は小兵衛も助太刀するのですが・・・。悲しい結末を迎えてしまいます。


白い猫」では、小兵衛が果たし合いをすることになり、出かけて行きます。ところが途中で白い猫に出会ったことから事件に巻き込まれてしまうのでした。この猫は亡き妻が昔かわいがっていた猫によく似ていて、小兵衛は妻のことも思い出してちょっとしんみりしてしまいます。

同門の酒」は、小兵衛が昔通っていた辻平右衛門の道場で同門だった弟子・孫次郎の話。毎年一度行われる同門会に姿を見せなかった孫次郎のことが心配になり、様子を見に行った小兵衛と十手持ちの弥七は、孫次郎が事件に巻き込まれてかどわかされたことをつきとめます。

ちょっと抜けた所もある孫次郎と、他の高齢の弟子たちの関係が何だか微笑ましい感じでした。


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引き続き「核心(上)」

まだあまり事件が展開していかない・・。
posted by DONA at 15:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書:池波正太郎
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