池波正太郎著 「鬼平犯科帳14」
(文春文庫)
火付盗賊改方の密偵・伊三次は、岡場所で馴染みの女郎・およねから、胸に傷のある「伊三さん」という名前の男のことを聞いた。その男は伊三次と因縁のある盗賊だった。平蔵に報告し、伊三次が中心となって捜査を始めたが・・−「五月闇」他「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」計6編収録
何人もいる密偵(元盗賊で今はお上のために働く人のこと)の中でも伊三次はかなり古株で、平蔵の信頼も厚い人です。
そして、明るく前向きな性格で、同心の木村忠吾とも仲良く、長い捜査で疲れ果てた仲間を二人で盛り立てたり、支えたりしている無くてはならない存在です。
そんな伊三次が今回は捜査が始まっても見が入らないというか、心ここにあらず・・という状態に。周りは心配してしまいます。
でも、長官である平蔵は、全ての捜査を伊三次に任せて指揮をとらせます。だからといって突き放すわけではなく、全てを把握していて良いタイミングで助言したり、ねぎらったりするのです。
この話での平蔵の様子は、今の社会でも役立ちそう。どうやって部下に気持ち良く仕事をさせるか?良いヒントがたくさんありそうです。
「伊三さん」と呼ばれる男は伊三蔵という盗賊。伊三次とは昔因縁があり、伊三次の命を狙っています。
そして、悲しい結末が・・・。
「殿さま栄五郎」は、鷹田(たかんだ)の平十という口合人の話。口合人とは、盗みを働くときにちょっと人手が足りない・・というお頭から頼まれて、手の空いている盗賊を世話する人のことです。
久々に平十と会った密偵・馬蕗の利平治は、平十から頼まれて盗賊を世話してあげることにします。とはいっても密偵なので、盗賊になりすました盗賊改方の同心たちを紹介するわけですが・・。そして平蔵が自ら“殿さま栄五郎”という盗賊になりすまして仲間に入るのです。
ところが、本物の殿さま栄五郎を見たことのある盗賊がいて、偽物を知らずに紹介した平十は盗賊たちから拷問されてしまうのでした。
「さむらい松五郎」では、同心・木村忠吾が活躍します。“さむらい松五郎”という盗賊にそっくりだという忠吾を勝手に勘違いして仲間に引き入れた盗賊がいました。
そのまま松五郎のふりをして捜査することになったのですが・・。
何だか似た題名の話が入っていて混乱しそうですが、今回も面白い話がいっぱい詰まっています。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
「鬼平犯科帳4」
「鬼平犯科帳5」
「鬼平犯科帳6」
「鬼平犯科帳7」
「鬼平犯科帳8」
「鬼平犯科帳9」
「鬼平犯科帳11」
「鬼平犯科帳12」
「鬼平犯科帳13」
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引き続き「ゴールデンスランバー」
まだイマイチ話がわかりません・・。