2010年10月30日

乙一「暗いところで待ち合わせ」

乙一著 「暗いところで待ち合わせ

(幻冬舎文庫)


ネットで評判が良かったので読んでみることに・・。初めての作家さんです。
あらすじを読んだだけであり得ないような話で、どんな展開になっていくのか楽しみでした。


事故をきっかけに視力をなくしたミチルは駅のそばの実家で独り静かに暮らしていた。ある日、目の前にある駅のホームで殺人事件が起き、犯人として追われるアキヒロがミチルの家に逃げ込んできて、居間の隅にうずくまった。ミチルに存在を気づかれないように息を殺して過ごすアキヒロと、家の中に自分以外の気配を感じているミチル。二人の奇妙な同居生活が始まった。


ミチルの目が見えないことを良い事に、家に上がり込んで部屋の隅でうずくまって過ごすアキヒロ。ミチルの生活リズムを把握して、眠ったら動き、起きてきたらまた息を殺す。冷蔵庫の中身も少しずつもらって食べ、更にはシャワーまで使う。

初めは気づかなかったミチルもだんだん怪しみ始めます。カタっとか音がしたり、冷蔵庫の食料が減っていく・・当然、気づきますよね。

でも、誰が何のために家に潜んでいるのか?がわからない限り、警察を呼んだり、友人に相談することもできずミチルはただ黙って気づいてない振りをしながら生活します。

アキヒロとミチルの考えや気持ちが交互に書かれていて、一つの出来事に対して二人がどう思って行動しているのか?が手に取るようにわかります。

気づいているのに気付かない振りをしているミチルと気づかれていないはず・・と思いながらも不安で仕方がないアキヒロ。二人の駆け引きから目が離せませんでした。


アキヒロがミチルの家に潜んでいたのには、理由があります。それはネタバレになるので書きませんが・・。

だんだん、ミチルに好感を持っていき、怪我をしそうになったら助けたり、心を通い合わせ始める二人の様子は、さわやかな気分にさせてもらえる感じでした。まあ「そんな都合よくいくか??」と疑う気持ちもあるんですけどね・・。


更に、ほぼ引きこもっていたミチルが友人・カズエの力も借りながら、少しずつ一人で行動するようになり成長していく様子も書かれています。


優しい気持ちになれるような(しんみりするような・・)話でした。


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乃南アサ著「紫蘭の花嫁」

話の展開にまだついていけていません・・。
タグ:乙一
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