高田郁著 「花散らしの雨 みをつくし料理帖」
(ハルキ文庫)
元飯田町に移転し新たに開店した「つる家」では、店主・種市の負担を減らすために下足番としてふきという少女を雇った。よく働くふきをみんなは可愛がるのだが、同じ頃に有名料理店で澪の創作料理を真似した料理が出されるようになった。更に考案中の料理まで真似されるようになり澪は不安になってしまう−「俎橋から−ほろにが蕗ご飯」
腰が悪い種市とあまり体力のない芳の二人に負担をこれ以上かけるわけにはいかない・・ということもあって、口入屋から持ち掛けられた下足番の少女を雇うことにした澪。
この少女は澪と同じように早くに両親を亡くしているということで親近感を覚え、ますます可愛がっていたのですが・・。
前回嫌がらせをされた料理店から離れたので、もう妨害されることもないだろうと思っていたのに次々真似をされると澪も我慢できなくなり、直接交渉に行くことに。本当に気の強い澪です。
「花散らしの雨−こぼれ梅」では、幼馴染の野江ちゃんが斬られて怪我をしたということで、味醂の絞り粕(こぼれ梅)で元気づけようとします。会いたいけど会えない、悲しい関係にある二人のちょっとした会話が涙を誘う話でした。
「一粒符−なめらか葛饅頭」では、店を手伝ってくれていて澪のお隣さんでもあるおりょうの息子・太一が麻疹にかかってしまいます。麻疹は昔、命を落としかねない大病で、おりょうにまで移ってしまい、澪と芳が必死で看病します。
「銀菊−忍び瓜」は、淡い恋の話。澪と同じ名前の少女・美緒が澪がお世話になっている源斉医師に恋心を抱き、勝手に澪にやきもちを焼きます。澪もちょっと恋をし始めた感じ・・。何だかせつない話でした。
美味しそうなご飯たちと、静かに流れる物語、とても心地よく読めました。
<みをつくし料理帖>
「八朔の雪」
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