榛野なな恵著 「Papa told me autumn」
YOUNG YOU 特別企画文庫
(集英社)
秋のエピソードが詰まった作品集です。
「シェル ブルー」から「グリーン プラネット」は話が続いています。知世ちゃんの学校の先輩、6年生の乾くんというちょっとかっこいい少年の話です。知世ちゃんは「お父さんの方がかっこいい」と言うのですが、周りの友だちや中学生の女の子なんかもみんな乾くんを見て「かっこいい
そんな乾くん、お父さんが政治家で、家庭は複雑な関係になっています。お陰で小学生にして胃潰瘍・・。知世ちゃんは自分のせいで病気になったのでは?と責任を感じ、お見舞いに行くのですが・・。
「マジック マフィン」は、公園で出会った母子家庭の親子の話。結婚をせずに一人で子どもを産んだことで周りから白い目で見られ、辛い思いをしてきたそのお母さんに知世ちゃん親子が優しく語りかけます。
「エルフィ エルフランド」では、知世ちゃんが妖精に出会います。もちろん、実際は普通の女性なんですが、うつ病になり、公園をパジャマ姿でふらっと歩いている姿を見て「あなたは妖精?」と話しかけます。
知世ちゃんいわく「妖精の遺伝子を持った女性」ということらしいです。お母さんに続き二人目を見つけた!と喜んでいます。
そして「ダイアモンド スカイ」は私のお気に入りの話です。百合子ちゃん(知世ちゃんの叔母さん)が同窓会に参加する話なのですが、独身でバリバリ仕事をこなす百合子ちゃんの複雑な心境が書かれていて共感する部分が多かったんです。
結婚退職する後輩から「こういう仕事って誰がやってもそう変わらないものでしょ?それに比べて彼のパートナーになったりよい母親になったりするのは私しかできないし」と言われ、落ち込みます。
でも、仕事に誇りを持っている百合子ちゃんはやっぱり素敵です。
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