泡坂妻夫著 「亜愛一郎の狼狽」
(創元推理文庫)
面白い本は無いか?とネットで探したときに見つけた本です。初めて読む作家さんです。
カメラマンの亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちをしていてちょっと人目を惹くような魅力のある人物だが、行動を見ていると運動神経の無さが際立って残念な感じ。雲や空、虫などを専門に撮るカメラマンで、事件現場にさり気なく存在してしまい、警察に怪しまれることも・・。計8編の短編集。
文章が時々古臭い感じがして、慣れるまで少し時間が必要でした。1976年に書かれた作品ということなので、古くて当然ですね。「可愛い子ちゃん」という文章を見たときは一瞬「どうしよう・・

カメラマンの亜は、とてもかっこいいというか、キレイという設定なのですが、私はどうしてもずんぐりむっくりでヨレッとしたコートを着ているような、髪もボサボサでフケだらけ・・というイメージがついてしまい、離れませんでした。
それくらいドジで行動がちょっと変で、リアクションも大げさで、そばにいたらイラッとするタイプなんです

でもとても鋭い観察眼をもっていて、順序立てて事件を解明していく姿は素敵でした。
どの話も事件が起きる前から始まるのですが、何気なくサラッと読んでいると謎は解明できません。どの文章もほぼ無駄が無く伏線になっているので、じっくり読んだ方がより楽しめる感じでした。
読み終わると「あ〜、なるほどね」と必ず感心してしまうような話ばかりで、読みごたえもありました。私は「右腕山上空」「曲がった部屋」が特に好きかも。
1話目の「DL2号機事件」はデビュー作だとか。すごいです

このシリーズはまだあるみたいなので、また読んでみようかな?と思います。
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