池波正太郎著 「鬼平犯科帳11」
(文春文庫)
順番的には10巻の感想を書くべきなんですが、なぜか見当たらない・・

元々、家族の本だったのを途中から私が引き取って買い揃えていったので、家族の誰かの本棚にいるのかも

・・ということで、1冊とびます。
“うさぎ”という愛称で可愛がられている同心・木村忠吾が、同性愛者の侍に気に入られ、誘拐されてしまった。この侍の正体は?−「男色一本饂飩」他「土蜘蛛の金五郎」「穴」「泣き味噌屋」「密告」「毒」「雨隠れの鶴吉」計7編収録
私も大好きな同心の一人、木村忠吾が誘拐されてしまいます。
剣の腕もイマイチで、同心としてはどうなの?というくらい情けない人なのですが、ひょうきんでお調子者で、平蔵からも他の与力や同心からも愛される人なんです。
名物の「うさぎ饅頭」に似ているから・・という理由で「うさぎ」とか「うさ忠」とか呼ばれています。
その日、忠吾は大好物の一本饂飩を食べにいつもの店へ。機嫌良く食べていると急にそばに来た侍が、忠吾のお尻を触って来ます。
怒った忠吾は先に店を出たのですが・・。
助け出された忠吾はしばらく周りから冷やかされます。でも平蔵だけは「みさおを守った」ことを信じてくれ、思わず涙した忠吾でした。
「土蜘蛛の金五郎」では、平蔵が乞食姿になり、潜入捜査をします。金の無い人には裏で、無料でごはんを食べさせる・・という奇特な店がありました。普通の人なら「良いご主人だね」で終わるのですが、平蔵は「何か裏がある」と読み、潜入することに。
風呂にも入らず、月代もそらず、髭も伸び放題にするという徹底した変装ぶりに、改めて感心しました。
「穴」という話は、私が大好きな話です。大店の隠居になっている男が、昔は名の通った盗賊の頭で、今は引退したのに盗みの虫がおさまらず、隣の大店へこっそりと盗みに入ることにしました。
元手下で、今は番頭の男と二人で大穴を掘り、店の誰にも気づかれずに大金を盗んで、更にはこっそりと返しに行く手口は、鮮やかで何だかスカッとするんですよね〜。
やってることは盗みなので、悪いことなんですけどね・・。
今回も面白い話がいっぱいでした。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
「鬼平犯科帳4」
「鬼平犯科帳5」
「鬼平犯科帳6」
「鬼平犯科帳7」
「鬼平犯科帳8」
「鬼平犯科帳9」
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引き続き「メイン・ディッシュ」
もうすぐ読み終わり。