加納朋子著 「スペース」
(創元推理文庫)
年末、体調を崩し寝込んでいた駒子だったが、全快したのでデパートへ買い物に行った。そこで思いがけない人と再会し、思わず「読んでいただきたい手紙があるんです」と告げた。10数通にもおよぶ手紙に秘められた謎、そして手紙には書かれなかったある物語とは?「スペース」「バック・スペース」の2編収録
駒子が瀬尾さんに渡した手紙にはある謎がありました。謎を解くためには、ちょっと読む視点を変えないとわかりません。視点を変えるとかなり簡単な謎だったということがわかるんですが・・。
ネタばれしないように感想を書くのは難しい作品でした。
「バック・スペース」では、まどかという駒子と同じ短大に通う女の子が主人公となって話が進みます(まどかって誰?ということは「スペース」を読むとわかります)。
駒子のことも出てくるのですが、初めて他人から見た駒子の様子が書かれていて、私的にはちょっとイメージが違う気がしました。
駒子が語っていた友人も出てきますが、この人もイメージが違って見えて、何だか不思議な感じ。
20歳前後って「自分は特別」とか「自分が誰かの一番の存在になれたら」とか思うものですよね?やたらと「個性」を出そうとしたりして・・。
「人とは違う」ということが妙に嬉しかったり。
そういう時期を過ごしているまどかと駒子の微妙な心の動きや悩みはきっと女性なら共感できると思います。
私も懐かしく思い出しながら読み、さわやかな気持ちで本を閉じました

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北森鴻著「メイン・ディッシュ」
まだ話の展開についていけてない感じ。