加納朋子著 「魔法飛行」
(創元推理文庫)
「私も物語を書いてみようかな」という駒子のつぶやきを聞いた瀬尾は「書いてみれば?」と後押しをする。駒子自身が経験した日々のちょっとしたエピソードや謎を、瀬尾に手紙で報告するような形で書き始めた。いくつもの名前をもつ“茜さん”との出会い、幽霊の話、魔法の飛行など、様々な物語を書いて送る駒子に、瀬尾は感想と共に謎の解明を書いて返事する。
前作では「ななつのこ」の作家である綾乃さんに手紙を出し、返事をもらう形で話は進んでいったのですが、今回は駒子が物語を書き、瀬尾に読んでもらい、感想を返事してもらう形で進んでいきます。
まあ、ほぼ同じパターンなのですが・・

ただ、今回は短編の間に不思議な手紙が入っていて、最後の物語まで誰が書いた手紙なのか?がわからないまま進んでいきます。
前作と同じように駒子が出会った日常の何気ない出来事で物語は構成されています。
駒子は謎は謎のままで物語を書き終えるのですが、その謎を瀬尾が返事で解決してくれるので、読者はそれを読んで「あ〜なるほど

短大生の駒子は、友人が婚約したり、将来について語ったりするのを見る度に「自分は何も考えていない

19歳といえば子どもから大人へ成長するべき年齢で、でも成長できない時期ですよね。微妙な年齢を生きている人、その年齢を経験してきた人には色々と共感できる部分もあると思います。
今回も面白く読め、優しい気持ちで読み終えることができました。
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