菊地秀行著 「D−北海魔行」
吸血鬼ハンター7
(ソノラマ文庫)
凍てついた海に面した北の辺境に位置するフローレンス村は、一年に一週間だけ夏が訪れる。一年前の夏、海から貴族がやって来た浜で拾った“珠”を売るためにウーリンは町へ出たが、珠の由来を知ろうとした町の顔役に拷問され、殺害されてしまった。死の間際に珠を姉に返すように頼まれたDは、少女の願いを叶えるため、北の村へ向かった。
Dシリーズの中で、私が一番好きな話かも・・。
この頃のDは、クールさとやさしさのバランスがちょうど良いんですよ

ストーリーも上下巻で長い割には読みやすいんですよね。
一年で一週間しかない夏を楽しむために村人は努力を惜しみません。もしその期間に事件が起きても見ないふりをしますし、吸血鬼がやって来ても信じようとはしません。
だいたい、吸血鬼というのは流れる水に弱いという設定なのに、海からやって来るなんて恐ろしい現象が起きているわけです・・でも無かったことにされてしまう。
ウーリンの姉、スーインと出会ったDは彼女が何かの術にかかっていることに気づきます。スーインの過去に触れながら、現在の彼女のこともそばで支えていくのです。
Dには人の顔を持つ左手(感情もあり話もできます!)が付いているのですが、彼(?)も大活躍します。
厳しい環境で暮らす人たちの感情や、悲しい恋の話など、暗いイメージの話ですが、最後には少し救われる感じがして、読み終わりは思ったよりもさわやかな気分になれました。
<吸血鬼ハンターシリーズ>
「吸血鬼ハンター“D”」
「風立ちて“D”」
「D−妖殺行」
「D−死街譚」
「夢なりし“D”」
「D−聖魔遍歴」
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引き続き「晩夏に捧ぐ」
まだ解決方法が見えませんが面白いです