山本周五郎著 「四日のあやめ」
(新潮文庫)
長い間、確執のあった馬廻り組と徒士組がとうとう衝突した。この知らせを聞いた千世は、夫には伝えず家人にも口止めをした。後にそのことを知った夫・主税介は、妻を責めるが・・本当の妻の思いとは?−「四日のあやめ」他「契りきぬ」「貧窮問答」「ゆだん大敵」など9編収録
主税介に妹を紹介するときに、千世の兄が「妹は四日の菖蒲(あやめ)という感じ」と表現した・・という一文が出てくるのですが、それを聞いた主税介は「六日の菖蒲というのは聞いたことがあるが・・」と思い、印象に残ったそうなんです。
「六日の菖蒲」も知らなかった私。辞書で調べてみると「端午の節句(五月五日)の翌日の菖蒲のように、せっかく用意したが肝腎のときに遅れて役にたたないこと」だそうです。
なるほど・・こんな表現があるんですね。勉強になりました

徒士組と馬廻り組の衝突は、主家には関係のないことで、これは私闘として罰せられる出来事でした。ところが、意外な展開を見せ、声をかけたのに参加しなかった主税介が逆に責められることになります。
「契りきぬ」は、足軽の娘だったなつが借金のために身を売ることになった話。身を売る商売でありながらふっ切ることができず、一線を超えずにいたなつですが、ある武士と出会い人生が変わっていきます。とてもせつない恋の話です。
「貧窮問答」は、渡り中間と奉公先の主人との話。貧乏な旗本の元へ一日だけ奉公に行った又平は、主人の人柄に惚れこんでしまい、気づけば酒や米などを自腹で買っては貢いでしまいます。二人の何とも言えないのんびりしたような、お人好しな感じの会話が楽しい話です。
悲しい恋の話もありますが、ちょっとほほ笑んでしまうような楽しい話もあり、楽しめる一冊になっています。
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです



引き続き「警官の紋章」
面白い展開!
こちらのブログのおかげで「貧窮問答」だとわかりました。
ありがとうございます♪
お役に立てて良かったです!嬉しいな〜。
またぜひ来てくださいね。