垣根涼介著 「君たちに明日はない」
(新潮文庫)
これもブログでの感想を読んで、読もうと思った本です。初めての作家さんです。
リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事は、依頼された会社の社員と面接し、依願退職をさせること。会社がリストラしなければならない理由を説明し、本人に他の世界で活躍するための良い機会だと説き、退職することを認めさせるために色々な方法で話を進めていく。怒鳴られたり、泣かれたり、恨まれながらも日々仕事をこなしていく。
以前見たジョージ・クルーニーの映画「マイレージ・マイライフ」みたいな設定だな〜と、楽しみに読みました。
主人公である真介の目線と、真介に面接される側からの目線、両方から書かれていて、読みながら自分が面接官だったら・・とか自分がリストラ話を持ち出されたら・・とか両方の気持ちを想像していました。
リストラ請負会社というものが実在するのか?は知りませんが、自分がもしリストラされるのであれば、会社から説明してもらいたいと思いますね。見ず知らずの人、しかも同じ会社ではない人から「あなたは必要ありません」と言われても、当然納得できるはずもなく・・。
リストラ宣告する側としても辛い立場だろうと思います。見ず知らずの人間の人生を左右するような宣告をしないといけないんですから・・

毎日ストレスにさらされているような辛い仕事でしょうね。・・・と思いながら読んでいたのですが、そこの部分が少し甘いような気がしたんですよね。
映画でもそれは感じて、すごく大変な仕事のはずなのに淡々とこなしている感じがしたんです(たんたんとこなさないとやってられない!ってことなのかもしれませんが)。でも2時間でそれを表現していたら他のことが入れられないし、あの映画はそこがメインで言いたいことでもなかったわけだし・・と自分に納得させたんですが。
この本は、リストラ請負人という仕事がメインなわけですから、もう少し掘り下げてもいいのでは?と。真介の恋愛話(しかも描写がうっとおしかった

短編で計5つの会社で面接したことになっているのですが、それを1つの会社、しかも1人に絞ったらリストラされる側の苦悩も深く書けたのかもしれません。
シリーズは続くのですが、どうしようかな?・・2冊目の方が面白い場合もあるし、一応読もうかな?
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです



東野圭吾著「嘘をもうひとつだけ」
短編集で読みやすいです。
タグ:垣根涼介