池波正太郎著 「鬼平犯科帳4」
(文春文庫)
上杉謙蔵と名乗るその浪人は、みすぼらしい格好をしているが相当の腕前を持っていた。怪しい男から平蔵の息子・辰蔵を暗殺するように依頼された上杉だったが、辰蔵が体調を崩して路上で苦しんでいるのを見て、思わず助けた。その上、「暗殺するつもりだった」と告白し、結局辰蔵の味方になってしまう−「霧の七郎」他「五年目の客」「血闘」「密通」など計8編収録
息子の辰蔵のことは、残念な感じでいつも書かれていて、「出来の悪い息子」ということになっています。ところが、今回はちょっと父親譲りの懐の深さみたいなものが見えました。
まあ、最終的には平蔵から「だからお前はだめなんだ」と言われてしまうのですが・・。
「密通」は、妻・久栄の伯父から依頼されて個人的に事件を捜査することになった話。伯父のことが好きではない久栄は夫に頼むときからかなり嫌そうです。事件の内容もひどい話で、読んでいて顔をしかめる部分もたくさんありました。
「血闘」では、平蔵が最大のピンチに陥ります。幼い頃から知っている女密偵・おまさが盗賊のアジトに監禁されてしまったのを救出に向かったのですが、なかなか味方の援護が得られず、思いがけず命をかけた戦いになってしまいます・・。
<鬼平犯科帳>
「鬼平犯科帳1」
「鬼平犯科帳2」
「鬼平犯科帳3」
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです



引き続き「目撃」
もうすぐ終わります。