山本周五郎著 「ならぬ堪忍」
(新潮文庫)
生命を賭けるに値する真の“堪忍”とは何かを問う−「ならぬ堪忍」(裏表紙あらすじより)城代家老を“御意討ち”するように命じられた宗近新八郎は、許婚にさり気なく別れを告げ、城代家老の元へ向かった。いざ斬ろうとした瞬間、家老本人から真実が語られ、新八郎の決心は変化していく−「宗近新八郎」など計13編収録
あらすじは自分なりの言葉で書こうと自分の中で決めていたのですが、今回の表題作はとても短く(4ページしかありません)書きにくかったので、裏表紙に書かれているあらすじを使わせていただきました。
4ページと短いのですが、とても内容は濃くて武士の生き方がよくわかる作品になっています。
「宗近新八郎」は、元々よくない噂が絶えなかった城代家老を討つように言われたわけですが、新八郎自身は噂話には関わらないように過ごしていて「斬るべきだ!」と息巻いていた若い武士たちとはかけ離れた存在でした。
その新八郎に命令がくだる・・何だか皮肉ではありますが。斬った後は立ち退くように言われるのですが、本人は切腹するつもりで出かけます。
命を賭けた新八郎と城代家老の心の交流、そして新八郎の苦難をしって助けようとする許婚の気持ちに感動してしまいました。
「新三郎親子」は、岡山池田藩に引っ越して来た武士の親子の話。この武士・新三郎の父が実は・・。病気の母親のために雁を撃ちに行った新三郎が、気づかないうちにお上の狩場に入り込んでしまい、更に銃を取り上げようとしたお鳥見(お上の狩場の番人のこと)を斬って自首します。
自首しても死罪となるわけですが、それを助ける方法がありながらあえてお家のために助けようとしない母親と、それを運命と受け止める新三郎・・武家の厳しさを感じる作品です。
↓ ランキングに参加中 お帰りの際にポチッ×2と押して行って下さると嬉しいです



引き続き「スカーペッタ(上)」
もうすぐ読み終わります。