今野敏著 「ビート−警視庁強行犯係・樋口顕−」
(新潮文庫)
警視庁捜査二課は、日和銀行に家宅捜索をかけようとしていた。捜査員たちは張り切っていたが、その一員である島崎警部補はこの家宅捜索が失敗することを知っていた。銀行員の一人に脅されて捜査内容を密告していたのだ。その後、銀行員が殺される事件が発生し、捜査本部に参加した島崎の様子を見た強行犯係の係長・樋口は、何か事件に関わりがあるのでは?と疑いを抱く。
題名に「樋口顕」と名前があがっているというのに、今回はなかなか登場しない樋口。前半はほぼ島崎とその家族だけで話が進んでいきます。でも「島崎にどうやって樋口は関わっていくのか?」と逆に楽しみに待つことができました。
島崎の長男は柔道をやっていて、被害者である銀行員の後輩になるため、先輩の命令は絶対という柔道界(スポーツの世界は大抵そうですね)で残っていくためには、情報を漏らすしかありませんでした
島崎には二人の息子がいるのですが、長男は自分と同じ柔道の道を進んでいて優秀なため、とても期待をかけてかわいがっています。ところが、その様子が気に入らない二男はぐれてしまい、反抗的な態度をとるようになり、すっかり引きこもり状態になっています。
でもそんな二男との関係に悩む島崎に対して、樋口は「子どもと共に悩んだり考えたりすることが大切では?」とアドバイスします。
樋口には娘がいるのですが、父親を毛嫌いすることもなく、自然に会話ができています。「クラブで夜通しイベントに参加したい」と言い出した娘に対し「一緒に行く」と言う樋口。その対応もすごいと思いました。
こんな父親ならいつも尊敬していられるだろうな・・と、何ともうらやましい気持ちで読みました
相変わらず人の目を気にしながら行動する樋口ですが、周りの信頼は厚く、頭の回転も速く、事件解決に大きく貢献します。
この樋口顕シリーズ、3作品あるのですが、私はこの「ビート」が一番好きかもしれません。
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キャロル・ネルソン・ダグラス著「黒猫ルーイ、名探偵になる」
読み始めですが、まだ黒猫が活躍しない・・。これからが楽しみ。
