佐々木譲著 「制服捜査」
(新潮文庫)
川久保篤巡査部長は、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野にある農村は、重大事件など起きないようなのんびりした所のはずだったが・・。赴任して間もないある日、一人の女性から「高校3年生の息子が行方不明になった」と通報があった。さっそく探し始めるが、少年は遺体で発見された。交通事故として処理されたが、疑問を感じた川久保は独自に捜査を始める。−「逸脱」他「遺恨」「割れガラス」「感知器」「仮装祭」計5話収録
「逸脱」は、以前読んだ「決断」という警察小説競作の中に収録された話でした

駐在さんというと、何となく定年の近いようなおじさんをイメージするのですが、この川久保はもう少し若そう。でもしゃべっているときによって年齢層やイメージが変わるんですよね・・。私の中でイメージが固まらない感じです。
自分のことを「おれ」と言うのも気になります。仲間同士で話すときならともかく、町の人に対しても言うので・・。そういうもんですかね?
「遺恨」は、犬が鉈で殺されるという事件を解決する話。犬だけではなく、酪農家が殺害される事件が起き、更には受け入れていた中国人研修生が脱走したことで、捜査担当者たちは研修生が犯人だと決めつけて捜査をすすめていました。でも川久保は違和感を感じ、独自に捜査をし、見事解決させます。
「割れガラス」は、ネグレクト(育児放棄)問題を取り上げた話。ネグレクトの被害にあっている少年が、万引きをしたことで川久保と深い関わりができます。ログハウスを作る作業を手伝わせることで自立する自信をつけさせようとするのですが・・。小さな町ではうまくいかないことも多いです

「感知器」は、町で次々起きる連続放火事件の話。事件が起きる度に不安を募らせ、川久保に文句を言う人たち。やがて捕まった犯人はなぜか1件だけ容疑を認めず、川久保は犯人を思いつきます。
「仮装祭」は、年に一度の夏祭りで子どもが行方不明になった話。13年前にも同じ事件があり、その母親も久しぶりに祭りに姿を見せます。その当時、駐在だった元警官も現れ、捜査に協力します。犯罪の少ない平和な所と思われていた町の裏の顔が見えてくる話です。「犯罪者を出さない」ではなく「犯罪者を居ないことにする」という考えにゾッとしました

この川久保巡査部長の話は、もう1冊あるそうなので、また読んでみようと思います。読めばイメージが固まるかも??
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乃南アサ著「未練」
面白いです。
お加減はいかがでしょうか?
ご無理なさらずに。
北海道弁がたまに入っていて多少気になるかもしれませんが、
『暴風圏』の感想楽しみにしております。
スパムに入っていてコメント、トラバック気がつかず大変失礼致しました。
私もトラバック頂戴します。
「暴風圏」早く読みたいです!感想書いたらまたTBさせていただきますね。
諸事情により、返信遅くなりましたが、ちゃんとTBされてますのでよろしく。
それにしても佐々木氏の作品って、終わり方が唐突で、事件解決後の余韻が無い作品が多々ありますよね。私の好みとしては、この後どうなったか?!もうちょっと知りたいんですけどね…。
ちゃんとTBされていて良かったです。
私もある程度、事件のその後が知りたい方です。今回の作品、特に初めの「逸脱」が「これで解決!?」という感じがしました。もう少し余韻が欲しいです。
とりあえず、次の作品も読もうと思っています。