新潮社編 「決断 警察小説競作」
(新潮文庫)
6人の作家が書いた警察小説が収録された短編集です。横山秀夫と柴田よしきに惹かれて買いました。
逢坂剛著「昔なじみ」
偽札ドルをさばくように命令された男が、昔なじみの男に出会う。その男が警察官をしていると言うため、距離をとろうとするが・・。
どんでん返しが最後まで続き、罠にかけたつもりが、逆に罠にはまっていたりして、目が離せない展開になっています

佐々木譲著「逸脱」
田舎の駐在所勤務となった川久保巡査部長は、一人の女性から「息子が行方不明になった」と捜索を依頼される。早速聞き込みを始めるが、やがてその少年は交通事故の被害者として遺体で発見され・・。
なかなか面白い話なんですが、終わり方が納得いきませんでした。何だか微妙な感じ・・

柴田よしき著「大根の花」
ある住宅街で立て続けに植木鉢が壊される事件が起きた。その後、子どもの三輪車のサドルが切り裂かれる事件まで起き、捜査は本格化する。酔っ払いの犯行か?それとも何か理由があるのか?
定年の近い刑事と、若い刑事の二人で住宅街を聞き込みする様子が書かれています。植木に対する愛情の激しさに共感できない若い刑事。住宅街に住む人たちや犯人像に人生を重ねるようにして語る老刑事。対照的な二人のやりとりは、興味深く読むことができました

戸梶圭太著「闇を駆け抜けろ」
ひき逃げ事故を起こした若者たちが、パトカーに追われながらも必死で逃げ回る話。
う〜ん・・・・


貫井徳郎著「ストックホルムの埋め火」
ストックホルムの寒い夜、レンタルビデオ店の店員が片想いの女性を殺害するために家へ行くが、すでに女性は死んでいた。殺人事件を捜査しているロルフ刑事は、名刑事だった父親の偉大な背中を追い越そうと必死でもがき苦しんでいた。店員を逮捕し、取り調べているうちに、自分と重ね合わせて悩んでしまう・・。
読んでいる間ずっと違和感を感じていました。どうしても日本の話にしか思えなかったんですよね

横山秀夫著「暗箱」
ベテランの添田巡査長に1本の電話がかかる。以前放火犯として逮捕された男は無罪で、「自分が真犯人だ」と告白して切れた電話。長い刑事人生で初めての「誤認逮捕か!?」と悩み、独自に再捜査を始める。
誤認逮捕の悪夢にとらわれて悩むベテラン刑事の心情や、自白して来た男性の心情が詳しく書かれていて、どちらにも感情移入してしまいます。やっぱり面白いな〜この作家さんは・・と再認識しました。
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乃南アサ著「凍える牙」
初めて読む作家さん。今の所、面白く読めています。